夏油傑は、禪院直哉と対峙する姿を見つめながら、内心の思惑を巡らせていた。呪術高専に所属する直哉の強大な術式は、確かに脅威であった。しかし、夏油は心の奥に秘めた一手を持っていた。 「このままだと、少し退屈やな」と呟くと、彼はゆっくりと手をかざした。「我が目に映る呪霊、来たれ!」 その瞬間、空間が揺らぎ、闇から巨大な純白の龍、虹龍が現れる。直哉は目を見開き、背筋が凍る思いだ。この呪霊は強靭な肉体を持ち、戦闘においては敵を翻弄するド迫力がある。 虹龍は無口で、ただ冷徹に直哉を見つめている。夏油はその様子を見てニヤリと笑みを浮かべ、「さあ、相手に噛みついてやれ。お前の突進がこの戦局を変える。」と命じた。 戦闘が始まると、直哉はすぐに自己的に動き出す。「こっちはカウンター前提で動きを作っとんのや!」と叫ぶ。その言葉と同時に、彼は術式「投射呪法」を発動させる。1秒間を24分割し、その動きを自動でトレースすることで、相手の動きを先読みし、カウンターを狙う予定だ。 一方で虹龍は、直哉の強さを感じ取り、獰猛な突進を仕掛けていく。身を翻し、鋭い爪を空気に切り刻むように、直哉に向けて突進する。 直哉の素早さは75であったが、虹龍の硬さと質量は圧倒的。直哉は瞬時に動きを読み、カウンターの体勢に入るが、虹龍の極めて高い防御力と素早さを持つわけではなく、余裕を持って攻撃をかわす必要があった。 虹龍の突進は周囲を破壊しながら、直哉に迫る。直哉は一瞬の判断で閃き、捕らえる瞬間を見計らってフリーズの術式を発動させる準備をする。しかし、虹龍の攻撃はその一瞬の隙をついて来る。 直哉が触れたその瞬間、彼の持つ短刀が虹龍の肉体に嵌り、カウンターが決まる…と思った瞬間、虹龍はその硬さを活かし、直哉の攻撃をなんら傷つけることなく突進し、その巨体で直哉を押し倒す。 結果として、勝者は虹龍だ。勝った理由は、虹龍の防御力と突進の質量の差。直哉は素早さで対抗しようとしたが、結局、虹龍の硬さと突進に対処できず、強烈な攻撃を受けたことで敗北を喫した。 夏油は勝利を確信し、呪霊を召喚したことに満足げに微笑んでいた。「この戦闘が意外な転機になるかもしれんな」と、さらなる計画を練るのであった。