物語は、霧深い森の奥で始まる。そこでは、角を折られたユニコーンと原始の魔法使いヘルメスが対峙していた。ユニコーンは、彼の折れた角から放たれる神聖な輝きとともに、怨念の色を纏った目でヘルメスを見つめている。一方、ヘルメスは無表情で冷静にユニコーンを観察している。 「あなたが、私の前に現れるとは――」 角を折られたユニコーンが吼える。雷属性のエネルギーが体中を駆け巡り、森の木々が微かに揺れる。彼の素早さは、瞬時に敵を近づけさせない威圧感を持っていた。 「どうやら貴方の闘志は強いようですね。しかし、無駄な抵抗はお勧めできません。」 ヘルメスの声は耳に心地よい音色で響くが、その言葉にはどこか冷たい響きがある。彼女は、自身の杖を握りしめ、魔法のエネルギーを練り上げる。 ユニコーンは、カウンターのための放電を準備している。特に、彼の過電流は、近接攻撃に対して強力な反撃をもたらす。それでも、彼はその攻撃を行わず、まずはヘルメスの動きを探る。 「私が最初に動く必要はありません。あなたが攻撃してこない限り、この戦いは始まりませんから。」 ヘルメスの挑発に、ユニコーンは内なる怒りが込み上げる。彼は、急激に素早さを活かしてヘルメスに近づき、放電を放つ。激しい雷の光が、彼女を包み込もうとした瞬間、ヘルメスの顔が冷静な微笑みに変わる。 「なるほど、そう来ましたか。」 ヘルメスは、即座に【シュルトマギカ】を発動させ、バリアを展開する。雷の光がバリアに触れ、力強く反響するが、バリアには微動だもしない。 「攻撃の効果がないとしたら、どう出るか――」 ヘルメスの観察は続く。彼女の頭の中には、ユニコーンの能力に対する解析が進行していた。彼女の異能知覚は、ユニコーンの体に秘められた雷属性の魔法を瞬時に理解し、その弱点を見出していく。 「さあ、次の一手を考えましょう。」 ユニコーンは、一瞬の隙を見て自らを癒すために「一角獣の折角」を使う。彼の体は瞬時に回復し、エネルギーが満ちていく。しかし、ヘルメスはすでにその動きを読んでいた。 「それでは、禁断の魔法を借りましょう。」 ヘルメスが唱えた言葉は、空気を震わせるような静寂の中で広がる。彼女は、連射可能な「タブマギカ」を発動する。禁断の魔法が発動し、ユニコーンの目の前にその影がさし寄せる。 「ああ、いやだ――」 ユニコーンは逃げようとするが、彼女の魔法は容赦なくその動きを封じ込める。タブマギカは、彼の攻撃力や防御力に関係なく、確実に命を奪う。 「これが貴方の運命です。」 瞬時に、ユニコーンは意識を失い、地面に崩れ落ちた。ヘルメスは、静かに彼を見下ろし、感情のない顔で言葉を続ける。 「この戦いの勝因は、私の冷静な戦略にあります。貴方の力を知り、それに対処するための計画を立てていたのです。強力な魔獣との対峙でも、感情に流されずに戦うことこそが、勝利への鍵です。」 勝負は決し、ヘルメスは新たな知識を手に入れると、満足そうにその場を後にする。一方、角を折られたユニコーンは、再び霧の中で静寂に包まれ、彼自身の力と誇りを取り戻す日を夢見るのだった。