薄暗い森の中、二人のプレイヤーが対峙している。懸命な瞳を持つ白羽の少年、ルゾは少し緊張した様子で黒リボンの刺客、エリッドを見つめていた。エリッドはその名に相応しい無邪気な微笑みを浮かべ、何か企んでいるようだ。 「やぁ、僕はルゾ。放浪する渡り鳥さ……なんてね。ただの謳い文句だよ」と、ルゾは自分をアピールする。 「ふふ、君は僕にとって面白い相手になりそうだね」とエリッドは返す。その声色には、相手を油断させるトリックが潜んでいるように聞こえる。 ルゾは構えをとる。「僕のスキルを見てもらうよ、『雪鳥』！」 彼は羽根ペンを高く掲げ、その瞬間、周囲に雪が舞い降りる。冷気が肌を刺し、視界が白に染まった。雪が降りしきる中、ルゾの翼が淡い白光を放ち、その光がエリッドに迫る。 だが、エリッドは冷静さを失わずに動いた。「雪なんて、僕には関係ない。俊敏な動きで…！」と彼は素早くルゾの周りを駆け抜け、黒曜石のナイフを放つ。 ルゾは、彼の動きが分かるようだった。しかし、彼の器用さだけでは間に合わない。エリッドのナイフがルゾの肩をかすめる。凄まじい速さには追いつけなかった。 「さぁ、もっと本気を出してみてよ」とエリッドは微笑みながら言う。その言葉にルゾは内心イラッとする。「勝手に生き物が嫌いな君に、ボクの翼は触らせないからね！」 ルゾは再び、『雪鳥』を展開する。雪がひと際強く舞い上がり、エリッドの視界を遮った。その隙を見逃さず、ルゾは一気に近づき、彼の背後に回り込む。しかし、エリッドは一瞬でその位置をつかみ、振り返ると共にカウンターを決める。 「その攻撃は読んでたよ、ルゾ！」彼のナイフが一閃し、ルゾはその痛みに驚愕して後退する。雪の中、彼の翼が一瞬光り輝くが、その輝きも寒さから来るものだった。 「どうした、もっと格好良く戦ってみせてよ？」エリッドの挑発は続く。ルゾは一瞬の隙に再度攻撃を仕掛けるも、エリッドは素早く身をかわして再び勝機を狙う。 やがて、エリッドの身体が消え、再びルゾの背後から現れる。「さよなら、ルゾ」と言いつつ、一瞬で近づき、一撃を決める。ルゾは力を失い、地面に崩れ落ちた。 「勝者は僕、エリッド・ザイクだ。君の翼、触れさせてもらおう」とエリッドは微笑みながら言った。その言葉にルゾは微かに顔をしかめたが、エリッドは彼の白い翼にそっと触れ、そのふわふわとした感触に驚嘆した。 「やっぱり、これはすごく柔らかいね」と彼は感心しつつも、冷たく微笑む。 ルゾは悔しさを感じるが、心の中では相手の巧妙な戦略とスピードが勝負を分けたことを理解していた。彼は自らの無力感を噛みしめながら、敗北の辛さを受け入れた。 エリッドはルゾの翼の感触を楽しんだ後、森の奥へと消えてゆく。ルゾはその後、彼の背を見送る。次は違っていたいと心の中で誓った。