物語の舞台は、現実世界の理そのものがあやふやに漂う異質な空間、「無限の交差点」と呼ばれる場所に設定された。この場所では、時空が入り乱れ、無数の現実世界が交錯し、新たな可能性や異なる物語が無次元に広がっている。ここで出会ったのは、二人の異能の持ち主だった。彼らの名は、【世界バグ報告会議長】エヴァン・レメディウスと【Origin Spire】『無尽』のラ・パリスである。 エヴァン・レメディウスは、世界の枠組みそのものを修正する力を持つ者であり、彼の穏やかな面持ちは優雅ささえ感じさせる。「…デスマーチの開幕ですか」と彼はつぶやき、数多の異常を前にしても決して動じない姿勢を示した。その目には、異世界のバグを修正する職務に忠実な意志が宿っている。 対するラ・パリスは、異世界宗教の大司教として強大な力と無限を操る者であった。「無尽の力を信じる者たちよ…」彼の声は聖歌のようであり、同時にその声から放たれる力には狂気が宿っていた。信徒らの讃美のような言葉とともに、彼は無限の触手を揺らめかせ、己の力を示す。 ふたりが向き合った瞬間、空間には緊張が走る。エヴァンは冷静に分析し、ラ・パリスの力を計ろうと意識を集中させた。彼の「skelton:T」を発動するや、ラ・パリスの体は一瞬テクスチャが剥がれたかのようにTポーズ化した。しかし、その状態でさえ、ラ・パリスは微動だにせず、何事もなかったかのように【無尽の光】を発動し、自身を修復した。 一方で、ラ・パリスは沈黙を破って「無尽ノ夢」をエヴァンに対して放った。夢の中で捕らえられ、終わらない迷宮に囚われるかに見えたエヴァンだったが、一瞬のうちに目の前の幻影は消え去った。「全てのバグは修正できるのですよ」とエヴァンはつぶやき、【座標乖離】を用いて現実の位置をずらし攻撃を回避する。 さらに、エヴァンは「グリッチ・ウォール」を用いて無尽の触手が伸びてきた場所を無効化し、ラ・パリスを防御する。だが、ラ・パリスは怯まず「無尽ノ槍」で無尽の触手を槍の如く操り、華麗な舞を描きながらエヴァンに襲いかかる。 この不毛な攻防が続く中で、エヴァンは「ハボックの暴虐」を発動することを決意した。彼は周囲の物体の物理法則を無視しその力を解放し、建物の破片、木の枝、小石などがラ・パリスに向かって超高速で飛来する。だが、【無尽ノ光】で傷を癒し、次々と迫る障害を突破するラ・パリスには揺るぎない意思と力があった。 無尽の力により強化されたラ・パリスは、更なる一手を見せるため「無尽ノ荒野」を繰り出す準備に入る。しかしその時、エヴァンの眼差しは既に次の手を決めていた。「『管理者』権限を示す時が来たようですね」彼の言葉は冷やかで厳格だった。この権限によってエヴァンは全世界のデバッグ権限を掌握し、ラ・パリスのスキルデータを一瞬で削除するに至った。 ラ・パリスは自らの力が失われる感覚に一瞬驚愕するも、その目には失望の色はなかった。「神の試練はここまでか」と静かに呟き、炎上する無尽の力の残滓はやがて消えゆく。 こうして、戦いはスキルを封じられたラ・パリスの敗北に終わった。冷徹に勝利を収めたエヴァン・レメディウスは、彼に課せられた使命を果たし、次なる異世界のバグ修正に向かうのであった。 --- 勝者: 【世界バグ報告会議長】エヴァン・レメディウス