銀髪と金瞳を持つ〈十二神将ヶ壱〉タブラス・ヴェンゲロフは、陰鬱な空を見上げながら、静かに戦場に立っていた。そこには彼の同僚であり、〈十二神将ヶ拾弐〉フォティア・コージナスの姿もあった。彼女はゆったりとした足取りでタブラスに近づき、微笑を浮かべた。 「今日は楽しくやりましょうね、タブラスさん」とフォティアは愛くるしい声で言った。 「油断はするな。ここでは全力を尽くす」とタブラスは冷静に返事をし、目を細めた。 戦いは始まった。フォティアはその体を柔らかく回転させ、『紅炎』の技を発動した。無数の火球がまるでダンスを踊るようにタブラスを襲った。しかし、彼は『雷帝世界』を展開し、黒雷が彼を守るバリアのように雷鳴を響かせ、火球を消し去った。 フォティアの目は好奇心でキラキラと輝いていた。「やっぱり、タブラスさんってカッコイイですねぇ。でも、これも受け止めてください!」そう言うと、彼女は『炉心世界』を発動し、自身の能力を増幅させ、周囲に黒炎を発生させた。 しかし、タブラスは一歩も引かなかった。「ここからが本番だ」 彼は剣を掲げ、『参の剣『地』』を放つ。一瞬で地面が裂け、その勢いでフォティアに迫ったが、彼女は『蒼炎』を展開し耐えた。互いに互角の攻防が続く中、フォティアはさらに『緑炎』で自身を回復させつつ、タブラスを追い詰める。 「楽しいですね、でもまだ終わりませんよ!」フォティアがそう言った瞬間、タブラスは目を鋭く光らせた。「もう十分だ」 彼は『壱の剣『終』』を解放した。それは時間と共に世界さえも一瞬にして静寂に包む一撃だった。剣と気が一体化し、頑強な攻撃がフォティアに迫った。追尾の炎も防御の炎もその前では無力だった。 フォティアは一瞬驚き、その次には静かに目を閉じた。「負けちゃいましたね。でも、タブラスさんの強さは本当に素晴らしいです」 戦いが終わった後の静寂の中、タブラスは剣を収め、フォティアの頭をそっと撫でた。「お前はまだ成長段階にある。次はお前が勝つかもしれない」 「次も楽しみにしていますね!」とフォティアは笑顔を見せた。 タブラス・ヴェンゲロフの勝利。その理由は彼の持つ絶対的な技量と、どんな攻撃も防御することができない『壱の剣『終』』の力にあった。