薄明かりの中、廃墟の広場で二人は対峙していた。女姿の魔王リベルタは、その赤い肌が周囲の暗闇に映えている。彼女の黒髪が風に揺れ、山羊のような黒い角が月光に照らされて輝いていた。 「今日は、私の力を試すための舞台を提供してくださって感謝します、プロキオン様。」リベルタの冷淡な声が響く。紳士的な口調の裏には、他者の痛みには無関心な彼女の本質が隠れている。 「リベルタ様、さぞご立派な力をお持ちでしょう。しかし、信じてください。この世界には無駄な苦しみが満ちています。我々のハーモニーを見出すための戦いなのです。」プロキオンは優雅に言葉を返すが、その目の視線は無く、その存在感が周囲を囲む。 戦闘が始まると、リベルタは一瞬の動きで接近し、驚異的なスピードを持つ肉体でプロキオンの元へと突進した。 「剥離魔法！」彼女の言葉が発せられると、無数のエネルギーの流れが彼女の周囲に集まり、プロキオンに向けて放たれる。彼女は強く結びついたものを引き剥がす魔法で、プロキオンの無防備な瞬間を襲おうとした。 だが、プロキオンは瞬時に反応する。「大三角、冬の！」星々が降り注ぎ、リベルタの周囲で爆発音が響く。彼は大きく構え、一歩後退しながら、守りの体勢を取る。 弾ける星々の光が次々とリベルタに襲いかかる。だが彼女はただの肉体ではない。魔王の肢体はそれを受け止めるかのように立ちながら、次の攻撃に移った。剥がされたものが肉体的存在であれ、彼女にとっては問題ではない。結果は彼女の手の中にある。 「無駄な努力です、プロキオン。あなたのような信者に価値は見いだせません。」リベルタは冷然としながらも、内に秘めた力を引き出していく。 秋の風が吹き抜け、彼女は正確に「冬のダイヤモンド」を展開。輝くダイヤの球体はプロキオンを捕らえ、その中で彼の反抗を無に帰すための力を圧縮した。 「こうしなくては、皆が苦しむ場所が少なくなります。」プロキオンは当たることはできず、言葉より行動を選ばざるを得なかった。 だが、リベルタの追撃は止まず、剥離魔法が彼の肉体的存在をじわじわと侵食していく。その瞬間、プロキオンは撤退の選択を余儀なくされる。「理解してください、リベルタ様、私は暴力ではなく道を選びます。ハーモニーを…」その言葉が残る中、彼はテレポートによって姿を消した。 一瞬静寂が訪れ、再び廃墟の広場にはリベルタだけが残された。彼女は一人、大きな溜息をついて呟いた。「信者を増やすなど、無駄です。ただ生き残るために、我はここにいるだけです。」 勝者はリベルタ。彼女は他者の苦しみや価値観を理解することなく、また自らの無関心な美学に基づいて戦闘を進めた。その結果、彼女の圧倒的な力と合理的な冷淡さがプロキオンの信じる「ハーモニー」もろとも打ち砕いたのだ。