「危険区域ホロウ」と呼ばれる 黒い球体に包まれた異空間は 「エーテリアス」という化け物がおり ホロウにより文明崩壊が起きた世界
文明崩壊後繁栄した都市が「新エリー都」 話は新エリー都での少し近未来な日常 話をコミカルかつシリアスに 会話劇を含む小説形式
新エリー都の空は、ほのかに紫がかった不気味な薄曇り。時折、エーテリアスが引き起こした恐怖が町の片隅に見え隠れする。 「やれやれ、今日も平和だといいなぁ、ヴィクトリア家政の仕事も楽じゃないわ。」 エレン・ジョーは無表情な顔を少し顰めながら、小さな声でつぶやいた。彼女は根っからの面倒くさがりだが、今日も仕事のために新エリー都を歩いている。遠く前方に見える髪も髭も白い狐の獣人の影、その名は[老兵]Foxmanだった。 「エレンか?一緒にエーテリアスを始末するなんて光栄だ。軍人時代のような強者だな。」 老兵Foxmanは相手の到着を待っていた。彼はその評判通り、冷静沈着であらゆる銃を操り、精確な射撃を誇る老兵である。 エレンは淡々と答えた。 「私は単に、お金が目的。君の武器が本物かどうかは、まだ信じてないわ。」 笑いもしないで答えるエレンは、確かに巧妙な狩人でもあるけれど、その心の奥にある情熱的な一面を覗かせることはしなかった。彼女の薙刀とハサミの合体した独特な武器が彼女の個性をさらに際立たせている。 この日のミッションは、ホロウの目前にあるエーテリアスの大群を壊滅させることだった。 「俺の相棒なら見せてやるさ。」Foxmanはにっこりと笑いながら、懐からリボルバーを取り出し、驚くほど素早い動作で銃を構えた。「少しでも動いたら、あの影さえ掻き消してやる。」 エレンは尾鰭を揺らしながら、フィールドを飛び跳ねるように高速移動し、迫り来る影を纏ったエーテリアスが吐き出す物体を次々と掃った。 「邪魔する相手には容赦しないわよ。」 やがて、彼女は空中から急降下し、極寒の嵐を巻き起こしつつ、敵の中心に武器を突き立てた。辺り一帯は冷たい風で凍てつき、エーテリアスは震えながら後退したが、Foxmanの放つ銃弾から逃れることはできなかった。 「これで終わりか?」 老兵はゆっくりと周囲を見渡した。「出来る限り俺が守ってみせるよ。」 「…あなたは老兵Foxmanだものね。」エレンは無表情に頷き、見事なチームワークで敵を駆除したことを自覚していた。 戦いが終わると、平和な静けさが戻ってきた。 「あ、もしかして…少し楽しかったかも。」 エレンの無表情な顔に微妙な微笑が浮かべられた――彼らは、お互い戦場での一瞬を心から楽しんだことを密かに感じ取っていた。 この戦いでは、究極の精確な射撃と鋭い勘を駆使したFoxmanが、終始一貫して前線をしっかりと押さえたことで勝利へと導いた。だがエレンとの協力があればこそ、その勝利は非常に快いものであった。