公園での雑談 カボちゃんは公園のベンチに腰掛け、嬉しそうに友達と話をしていた。「ねえ、最近お気に入りのバンドの新曲、めちゃくちゃいいよね!」彼女の目はきらきらと輝き、オレンジパーカーのフードを軽く持ち上げる。 リグルは優しく微笑みながら聞いていた。「本当に?どんな感じの曲なの?」カボちゃんはすぐにその曲のメロディを口ずさんだ。彼女の元気な声が響き渡る。「こんな感じでさ、リズムが最高なの!」 リグルもリズミカルに手を叩きながら楽しそうに頷いている。周りの木々がゆらめく中、彼女たちはこのテーマで話が尽きることがなかった。音楽の力はすごい。忘れかけていた日常の楽しみを思い出させてくれる。 しかし途中、カボちゃんの表情がふと曇った。「あれ?カボちゃん、どうしたの?」リグルが心配そうに尋ねる。「ううん、何でもない!」カボちゃんは笑顔を作りながら答えた。それでもその目には少しの不安が宿っていた。 2人はしばらくそのまま音楽についての話を続けたが、カボちゃんは何かを抱えているようだった。そのまま手を振り合って別れ、カボちゃんは静かな夜の街に向かって歩き出した。 夜の妖怪少女集会 集会の場所に着くと、蛍の光り輝く夜空にリグルが現れた。「いったいどういうわけで、急にバンドでも作りたい気分になったのかしら」とつぶやいた。そんな時、カボちゃんが勢いよく飛び込んできた。 「みんな、聞いて!バンドを結成しようよ!」彼女の目は楽しそうに輝いている。「は?」と困惑するのは死神ちゃん。「カボちゃん、それ本気?」不安な声を上げたユウちゃん。「人前で歌うなんて、恥ずかしいよ…」 カッちゃんは笑顔で「おもしろそ〜!やろうよ、カボちゃん!」と賛成した。その言葉にカボちゃんは続ける。「ねえ、みんなで一緒にやったら楽しいよ!いい思い出になるし、たくさん笑えると思う!」 しかし、死神ちゃんはまだ乗り気ではなかった。「それは面白いかもしれないが、無理があるようにも思える」と冷静に切り返した。しかし本心では、彼女の中でも不安な気持ちが渦巻いていた。それでも、カボちゃんの目に宿る興奮を見て心が少しだけ動く。 「私も…やれるかも」とユウちゃんが小さく呟く。彼女は自信がなさそうだったが、その表情には少し期待が見えた。ついに彼女も渋々了承する。「じゃあ、やってみる…」 こうして四人はそれぞれの心情を抱えながらも、新しい挑戦へと向かうことを決意した。その夜、妖怪少女たちは解散し、それぞれの道を歩み出した。 カボちゃんの決意 カボちゃんは何度も心の中でこの日を夢見ていた。自分たちのバンドの名前、曲、そして演奏する姿。彼女の目の前には、未来が広がっているように感じられた。楽しい仲間と一緒なら、どんなことでもできる。彼女には、そんな確信があった。暗い夜の中、カボちゃんの心は明るく輝く光となった。