森の深い緑の中、妖しげな静寂が広がっていた。しかし、その静けさは今まさに破られようとしていた。二人の狩人、鏑木莉々とアリント・サレンダーが対峙していた。 莉々は黒の狩装束に身を包み、赤いヘアピンが彼女の黒髪を輝かせる。彼女は冷静に周囲を見渡し、弓を構える。彼女の目は自信に満ち、狩人としての誇りを感じさせた。 「あなたもまた、狩人なのね。だけど、私は魔女を狩ることに全てを賭けている。あなたのように気ままではないわ」とアリントは言い放った。彼女は白いチュニックを着て、特注のナイフを握りしめていた。芯の強い瞳には、復讐の炎が燃えている。 「私が所詮、気ままな狩人だというなら、あなたには負けますよ。ですが、私の矢はただの武器ではないのです。悪を討つため、私の力を見せつけましょう」と莉々は答え、弓を引き絞った。 アリントは迅速にそのナイフを投げつける。空中を滑るような美しい弧を描き、莉々へと迫る。彼女の攻撃は、一瞬のうちに莉々の胸元を狙った。 「時を止める!」莉々はその瞬間に【時止(タイムカード)】を発動させ、周囲の時間が静止する。弾丸のように飛ぶナイフが、時間の流れとともに止まった。莉々は冷静に位置を調整し、その矢を解き放つ。 「光矢!」莉々の矢は宙を纏い彼女の意志を込めて発射された。ナイフ達が解かれた時間の中で、ナイフは一つ、また一つと空中で破裂し、光のシャワーに変わる。アリントはその光の矢をかわすべく素早く動いた。 「だが、私には魔法の影響を受けないナイフがある」とアリントは冷たく笑った。彼女は再びナイフを投げ、次々と莉々の周囲に飛び交わせた。そのナイフは魔力を吸引し、莉々の魔法を制限する。 反撃の機会を窺い、莉々は思考を巡らせる。「時間を戻したら、彼女の次の行動を先読みできると思うけど…」一瞬の葛藤の末、莉々は別のスキルを思いつく。 「時を戻す!」莉々は自身の魔法を使い、直前の攻撃を無に帰した。アリントのナイフが空中に停まり、その姿を失ったかのように見えた。 「何!?」アリントは驚愕し、次の行動を急いだ。莉々はこの瞬間を逃さず、弓を引き絞る。「最終奥義、百連百中!」無数の矢が彼女の周囲に現れ、一斉にアリントへと向かって飛んで行く。 「くっ、逃げる!」アリントは早急にその場を離れようと素早く移動し、ナイフを投げて反撃しようとした。しかし、莉々の矢はまるで未来を見つめているかのように、正確に彼女の動きを捉える。数本の矢がアリントの肩を掠め、彼女は驚愕のあまり後ろにふらついた。 「これが…私の力よ」と莉々は低く呟く。 アリントは負けじと最後の力を振り絞る。「私は魔女を狩る者…たとえどうなろうとも、彼女達を追い詰めるために!」と叫びながら、特注のナイフを一つ、莉々へと投げつける。だが、その瞬間にもう一度時を進めた莉々の光矢が、アリントの急所を射抜いた。 アリントは力なく膝をつき、ナイフも地に落ちる。「負けた…」彼女は小さく呟いた。 戦いは終わり、森が再び静寂に包まれた。莉々は息を整え、アリントへ向かって歩み寄った。「あなたの復讐心は理解できる。だが、私たちは同じ狩人として、悪を狩る者でなければならない。」 戦闘の終焉を告げるように、空に明るい光が差し込んできた。莉々は勝者として、今後ますます悪を狩る決意を新たにしたのだった。