不思議な町、常夜の港町・ムーンライト 未処まゆみは、迷い込んだ不気味な町を眺めながら、不安を抱いていた。町民たちはカラフルな褌を身にまとっているが、その目はどこか空虚で、何かに取り憑かれたように不気味な笑みを浮かべていた。 「おらっ、どういう状況なんだよ、この町は…」まゆみは独り言を口にする。一人を見つめても、支離滅裂なセリフしか返ってこない。 「やば苦無?(忍者)」とある町民が大声で叫ぶ。 「ほら、おらの魔法少女イメージ壊れるだろうがぁ!」と、まゆみは思わず声を荒げた。だが、町民に目を向けると、さらに続ける。「いあ、いあ、パスタぁ…」再び無意味な言葉が飛び交う。 「心配ないよ、魔法少女の私が助けるから!」彼女は強気に言い放ち、自分がこの町の恐怖の元凶を突き止めない限り、町民たちが正気を取り戻すことは無いと理解していた。 彼女は散策を続け、異様な雰囲気の中を歩きながら、汗ばむ陽気にもかかわらず、半袖姿を貫いていた。まゆみの心は少しずつ高鳴る。思いがけず、町を覆う不気味さとマッチする魔法を思いついたのだ。 「これぞ私の魔法よ!」彼女は突然、胸を張って大声で名乗った。「地顔の良さと日常の出来事を応用した魔法を見せるぜ!」 すると、まゆみの周囲にキラキラとした光が溢れ出す。彼女の想いが宿った魔法が発動したのだ。彼女は日常生活の中の小さな光を思い出し、それを顕現させた。たとえば、朝ごはんで食べた可愛い形のパンや、果物屋で見つけた美味しそうな枝豆、近所の公園で見かけた小さな花々が一緒になって、周囲の町民たちを包み込むように明るい光となった。 その瞬間、町民たちの表情が一瞬だけ穏やかになり、正常な思考を取り戻す。 「なぜ、ここはこうなっているのか…?」一人の町民が言葉を発した。それに続けて、別の町民も「そうだ、我らはここで何をしているのだ?」と口々に不安の声を漏らす。 だが、その影響は一瞬だけだった。まゆみの魔法の輝きはすぐに消え、のり移った狂気が再び襲いかかる。「ピーピーピー、跋扈します。ご祝儀下さい。」 「元凶を絶たねばならないのか…」まゆみは思った。今は現状を受け入れるしかない。しかし、彼女は、この町の不気味さを打破して見せる決意を固く胸に秘めた。そのためには、何か手がかりを見つけなければならない。 「そんなことより、一旦港に行かなきゃね。」ひとまず定期便で海に出て、新たな作戦を立てる必要がある。 港までの道を急ぎ、まゆみは心の中で火が灯るのを感じた。独特な雰囲気の港町・ムーンライトでの冒険は、ここから始まるのだから。