ある日のこと、帆船のデッキで未処まゆみは、波の音に耳を傾けながら、青い海を見つめていた。「あー、今日は波が穏やかね。私の魔法少女力もアップするかも！」と独り言を口にする。だが、そんな穏やかな時間は長くは続かなかった。突然、船は大きく揺れ、乗員たちはざわめき始めた。 「おらっ、何だか嫌な予感がするぞ！」まゆみは、顎を持ち上げ、目を細めて周囲の状況を見極める。すると、海面が盛り上がり、巨大な影が現れた。それは、Bという名の荒れ狂う烏賊鮫だった。 Bは冷酷に外界を見つめ、何も考えず、本能のみで動く魔物だった。その姿は、まるで時空を超えた恐怖そのものであり、何匹もの生物が彼の体内にいるようだった。 「う、うわぁ、でかすぎる！」船員たちは慌てて逃げ出す。しかし、まゆみは心の中で思った。「ここで私が一発、決めなきゃ！」 「これぞ私の魔法よ！地顔の良さとか、トラウマとか、オタクっぽさが合わさった特別な力があるのよ！魔法少女歴5年目の私は、負けるわけにはいかないんだから！」と叫ぶと、まゆみは掌を広げた。 その瞬間、彼女の周囲に無数の小さなキラキラした光が現れ始める。それは日常の出来事、例えば、朝日を浴びた草花や、仲間たちとの楽しい思い出、お気に入りの枝豆を頬張る瞬間などからインスパイアされたものであった。光たちは、Bの向かう確実な道を遮り、Bの動きにめまぐるしく変化を与えた。 しかし、Bはその動きをお見通しだ。触腕が10本もあれば、彼女の魔法など、容易に破られてしまう。「おらっ、私の魔法少女力を見せてやる！」と気合いを入れるまゆみだが、Bの冷酷な眼差しはまるで彼女を嘲笑っているかのようだった。 その時、Bはその巨大な触腕を振りかざし、まゆみの周囲に一気に迫る。まゆみは必死で避けるが、その速さには敵わず、1本の触腕が直撃した。彼女はその圧倒的な威力に吹き飛ばされ、なんとか立ち上がろうとするが、その瞬間、Bは口を開けてまゆみを呑み込もうとした。 「いやー！おらっ！」と叫ぶまゆみ。Bの口からは、過去に補食した生物たちの残骸が次々と吐き出され、彼女に降りかかる。魚の骨や、海草、赤い血の混じったもの、さらにはかつての冒険者たちの装備までが目の前に転がってくる。まるで過去の恐怖そのものが複雑に絡み合っているかのようだった。 バランスを崩し、まゆみは海に落ちかけるが、負けてなるものかと立ち上がり、最後の力を振り絞る。だが、その瞬間、Bの口は一瞬で彼女を飲み込む決定的な瞬間だった。 Bの体内に吸い込まれたまゆみは、暗闇の中で何者かの気配を感じた。「まさか、他にもここに囚われている人がいるのか…？」心の中で思いつつ、息苦しさに戸惑いながら、まゆみは新たな運命に立ち向かう覚悟を決めた。 それでも、彼女の強気な性格は決して消えない。「おらっ、頑張るぞ！こんなところで終わるわけにはいかない！」と叫び、まゆみは再び立ち上がった。新たな冒険が始まったばかりだった。