ある日、薄茶色の毛並みを持つ獣人少女、メーシェは魔王討伐のための冒険をしていた。彼女は好奇心旺盛で、ポジティブな性格を持つ猫族の旅猫であった。彼女の鋭い聴覚は音に敏感で、周囲の気配をすぐに察知することができた。 「頑張るにゃ!」と、元気に言いながら林道を進んでいたメーシェは、突然の騒音に息を呑んだ。近くの木々の間から、数体のゴブリンもどきが姿を現したのだ。彼女は迅速に身を隠し、相手の動きを見定める。 「どうしよう、どうしよう…にゃるほど、こういう時は鉄爪・乱掻祭だにゃ!」メーシェは心の中で自分を奮い立たせた。 敵が近づくと、彼女は俊敏に飛び出し、鋭い剣で相手を一掃した。鉄爪を振るい、見事にゴブリンもどきを撃退したのである。戦いが終わった後、周囲の静けさを楽しんでいると、彼女は商隊の存在に気がついた。 段ボールスーツを纏った男、ハリボテマーチャントが、感謝の意を込めて歩み寄ってきた。 「あんた、見事な戦いぶりだったね!これも商隊のおかげで、無事に助かったよ!」彼は笑顔で声を掛ける。 「ありがとう、にゃ!私はただ自分の役割を果たしただけだにゃ。ところで、商隊は大丈夫かにゃ?」とメーシェが答えると、男は頷いた。 「おかげさまで、無事さ。 ご褒美というわけじゃないが、伝説の武具を一つ君にあげるよ!」と、ハリボテマーチャントは宣言した。 「伝説の武具にゃ!?本当に貰ってしまっていいかにゃ?」興奮したメーシェは目を輝かせた。 「もちろん。さあ、期待してくれ!それに、これを君に贈るよ!」男は段ボールで作った武具を取り出した。無駄に豪華な見た目のそれは、どこかユーモラスな雰囲気を漂わせている。 「無駄に格好良い名前: “聖なる段ボールの剣” 無駄に豪華な見た目: 実際にはただの段ボールに、金色のスプレーで装飾が施されている。 説明: 敵に向かって振ることで、相手の心を折る効果がある。実際の攻撃力はゼロ。」 メーシェは目を丸くして、段ボール剣を手に取った。「すごいにゃ、これが伝説の武具なのかにゃ!」 続けてハリボテマーチャントが続けた。「次はこれだ!」彼は別の段ボール製の武具を見せる。 「無駄に格好良い名前: “光の盾” 無駄に豪華な見た目: 光沢のある段ボールで作れており、中央に大きな星の絵が描かれた。 説明: 敵の攻撃を防ぎつつ、攻める気力を奪うことができる。防御力は純粋な段ボールだからほぼ無い。」 「ふむ、役に立ちそうな気がするにゃ!」メーシェは盾を持ち上げてみせた。次の武器について期待を抱く彼女の気持ちを汲み取ったのか、男はさらに続けた。 「最後にこれさ!」今度は大きな段ボールの鎧を提げて彼女の前に差し出した。 「無駄に格好良い名前: “段ボールの鎧” 無駄に豪華な見た目: 鮮やかな色彩の段ボールの層で構成されており、まるでバトルスーツのよう。 説明: 着るだけで、勇者の気分を味わえるが、実際はただのカバーに過ぎない。防御力はほぼゼロ。」 メーシェは笑顔で頷いた。「なんだか、たくさんの武具と一緒に冒険できそうだにゃ!」 男は少し照れた様子で話を続けた。「ああ、これで君も一緒に旅に出られそうだね。でも、これを身につける前に注意してほしいことがある。」 「にゃ、なんだかにゃ?気になるにゃ!」メーシェは豚のように興奮しながら聞いた。 「実は…魔王軍の幹部がこの森を根城にしていると聞いたんだ。君が行く前に、その情報を知っておいてほしかったんだ。これからの冒険では、気をつけてね。」 「魔王軍の幹部…にゃるほど、心して進むにゃ!」メーシェは決意を固めた。彼女は片手に段ボール武具を掲げ、元気いっぱいに森の入口に向かって歩き出した。 こうして、自由奔放な旅猫メーシェの新たな冒険が始まろうとしていた。ぽかぽかした日差しの中、彼女の笑顔はこれからの試練を乗り越える力を与えてくれるに違いなかった。次なる敵を待ちかまえる森へ、彼女の足取りは軽やかだった。