港町からの定期便に乗り込んだメーシェは、風に乗って帆を膨らませる帆船の甲板で、陽光を浴びながら目を輝かせていた。 「頑張るにゃ！ 今日はどんな冒険が待っているのかな？」と、彼女は空を見上げると、くるりと身を回して仲間の船員たちに向けた。 「メーシェ、またどこか行こうとしてるのか？」一人の船員が冗談交じりに問いかけると、メーシェは陽気に笑って「にゃるほど、お兄さんには分かるんだね！ でも、今日はただの航海にゃ…待って、甲板の端に何かいるにゃ！」と叫んだ。 その瞬間、甲板の端に青い影が現れた。それは深海から生まれた異形の魔物、荒れ狂う烏賊鮫相手だった。鋭いフィンと無数の触腕を持つそれは、海の闇から姿を現し、船に向かって進んできた。 「うわっ、なにこれ、すごい大きさ…！」メーシェの目が驚きに見開かれるが、船員たちは恐怖の叫び声を上げて逃げ惑った。「ああ、逃げろ！ これは無理だ！」 メーシェはその光景に心が躍るような興奮を感じながら、無邪気に言った。「大丈夫！ きっと倒せるにゃ！ いっちょ、やってやるにゃ！」 相手は巨大な体を震わせ、瞬間的に触腕を伸ばして航海する船に呑み込もうとした。触腕は素早く、そして無慈悲に船に迫る。船員たちが叫び、動揺する声が響く中、メーシェは机の上に立ち、「みんな、私に任せてにゃ！」と叫んだ。 メーシェは異世界からの召喚者として、勇者の使命を果たすために立ち上がる。鋭い視線で敵を見据え、素早く動きながら「鉄爪・掻撫」を繰り出した。彼女の鋭い剣のような爪が触腕に触れると、かすかに音を立てて少しの傷を負わせた。 しかし相手は、その攻撃をいとも簡単に受け流し、のしかかろうと巨大な体を動かす。「くっ、全然効いていないにゃ…！」と焦りながらも、彼女はもう一度攻撃することを決意する。 メーシェは「鉄爪・乱掻祭！」と叫び、無我夢中に爪を振り回し始めた。周囲の船員たちがその光景に息を呑む中、相手もその動きについていけず、少しだけ後退した。 だが、次の瞬間、相手はその巨体を揺らし、逆に海の力を集めて洗い流しながら吐瀉した。何が起こったのか、メーシェは一瞬にして呆然とした。相手の体内から発せられたのは、今までに見たこともない何かだった。 吐瀉物が飛び出してきた。色とりどりの鮮やかな海の生き物、破れた船の残骸、そして無数の強き生命の特徴を持つものが、まるで過去の補食物の記憶を持ったかのように彼女の視界に広がっていく。「うわあ、ちょっとありえないにゃ…！」とメーシェは目を丸くした。 その中には、以前旅路で出会った知恵深い魔法使いや、勇敢な戦士たちの姿があった。彼らの顔が肉の塊のように混ざり合い、目が合った瞬間、彼女はその恐怖と絶望を感じ取った。 「こんなものに触れるわけにはいかないにゃ！ 逃げるにゃ！」メーシェは一瞬の判断でサイドに飛び跳ねたが、触腕が彼女を捉え、引き戻した。力強い触腕に掴まれ、相手の体内に引きずり込まれる。彼女の声が海の音に飲まれていく中、視界に広がるのは魔物の内側、無尽蔵の空間だ。 「大丈夫、これはただの戦いにゃ！ 頑張るにゃ！」と意を決し、周囲の気配を感じ取ろうと懸命になった。相手の空間は異次元に歪み、数え切れない魔物たちの気が溢れ、戦いの激しさを伝える。だが、彼女の決意は変わらない。己の信念を胸に、彼女は再び立ち上がるための準備をしていた。 肉球を持たない劣等感を抱えつつ、彼女はこの状況を何とか打破しようと心の中で強く思っていた。「にゃるほど、これが魔物の力にゃ…！ でも、諦めないにゃー！」心の奥底から湧き上がる勇気が、彼女を再び立ち上がらせる。 相手の体内から彼女の新たな強さを見つけるための戦いが続いている。メーシェはまだ彼女の冒険の真っ只中にいる。