前日譚 遥か昔のこと、聖なる魔剣・エザム＝イドラは邪悪な神剣・アグニ＝エスカの封印を担う者として選ばれた。時計塔の深部に据えられたその剣は、長い間人々の平和を守っていた。しかし、そうした静寂は、時の流れの中でいつしか薄れてしまった。 その頃、魔王軍が砂漠の都・タタールに牙を剥いた。平和な町は、恐怖と混乱に包まれ、住民達は異形の者たちに怯えていた。アグニの封印が解かれ、町が危機に直面したその時、エザム＝イドラの意志は新たな勇者を呼び寄せた。 その名は、メーシェ。猫族の獣人少女として、彼女は聖なる使命を受け持つことになった。愛嬌たっぷりのメーシェは、無邪気な笑顔で「頑張るにゃ！」と宣言し、旅路に出発したのであった。 本編 時代は流れ、メーシェが町を占拠していた魔王軍と激しい戦闘を繰り広げた後、ついに勝利を収めた瞬間、町の空は晴れ渡り、町民達の歓声が響き渡った。倒されたアグニを前に立ち尽くすメーシェの姿は、まるで小さな勇者のようだった。 「やったにゃ！　勝ったにゃ！」と歓喜の声を上げる彼女。効力を失った魔王軍は、その場から逃げ去り、町には再び平和が訪れた。 「おお、見ろ！　町が戻ってきた！」恰幅の良い飲食店主スミスが、どっしりとした姿で出て来て叫んだ。「皆、集まれ！　メーシェさんが魔王軍を退けてくれたんだ！」 町の人々は彼女に感謝の意を示し、歓びを共に分かち合った。ウェイトレスの楓も、忍者の過去を持つ彼女なりに表情をほころばせ、「よくやった、メーシェ！　私も忍者として、もっと頑張らないといけないね」とほほ笑んだ。 一方、好青年マックスは、力自慢ながらも魔王軍に敵わなかった過去を抱えていたが、メーシェの活躍を目の当たりにし、「次は、自分も何かできることをしたい」と思いを新たにした。 「にゃるほど…これが仲間の力なのかにゃ」とメーシェは、仲間たちの姿に目を輝かせていた。彼女の心には、エザムの意志が宿っていた。この町を守ったことが、全ての仲間の力を合わせた結果であると理解していたのだ。 その後、エザム＝イドラが現れ、見届けるかのように彼女の前に浮かび上がった。「英勇なる旅猫よ。この町を救ったことは、すべての者にとって希望となるだろう。私はこの瞬間を記憶に刻む。」 メーシェは感激し、エザムの存在に気付いた。「エザム様！　私、勝ったにゃ！　町が平和になるために、私も頑張ったにゃ！」と大声で叫んだ。 エザムは微笑み、「その心こそが君の力となる。だが、これからも道は続いている。真の魔王を打倒するため、力を尽くすのだ。」と言葉をかけた。 彼女は「頑張るにゃ！　次は魔王に会いに行くにゃ！」と意気込むのだった。 歓声と共にエザムの姿は徐々に薄れ、天の彼方へ去っていった。メーシェは、仲間たちと共にその後の平和を築き、何が起こるかを共に楽しみにしていた。 後日談 日が経つにつれ、タタールの町は再び活気を取り戻していた。市民たちは花を咲かせ、屋台を開き、賑わう姿がどこか懐かしさを感じさせた。メーシェは町の平和を見守る中で、旅立つ日を迎えようとしていた。 「ところで、メーシェ、次はどこに行くの？」とマックスが憔悴した表情で尋ねる。「やっぱり、魔王のところか？」 「そうにゃ！魔王を討つために行くにゃ。みんなで一緒に戦ったから、今度は私一人で戦うにゃ！」と、彼女の目は輝いていた。 「無事で帰ってこいよ。約束だぞ。」と楓が優しく微笑む。「私も、何か手伝えることがあったら、いつでも言ってね。」 スミスも頷き、励ましの言葉を送った。「旅猫よ、君の冒険が成功することを願っている。私はここで町を守るから。」 「にゃーーー！みんなありがとうにゃ！」と満面の笑みを浮かべるメーシェ。彼女の無邪気さが、皆の心を温かく照らしていた。 旅の準備を整えたメーシェは、最初の一歩を踏み出した。「次は魔王城、行くにゃ！」と元気いっぱいに叫んだ。 町を少し離れた所で振り返る彼女。仲間たちが手を振って見送る中で、自信に満ちた顔を見せた。「必ず帰るにゃ。待っててね、みんな！」 こうしてメーシェの新たな旅路が始まった。魔王討伐の冒険は、きっと彼女にとって様々な経験をもたらすだろう。仲間の想いを胸に、彼女の心が次の冒険へと向かっていったのだった。