ある静かな林道で、旅を続ける少女、【異世界を旅する月乙女】ゆづは、勇敢にゴブリンもどきの襲撃から商隊を助けた。彼女のすばやい弓さばきと美しい射形は、まるで月の光が射すように、敵を一瞬で撃ち抜いた。商隊の一員、段ボールスーツを身に纏った男、【Chapter1-4】ハリボテマーチャントは、感謝の気持ちを伝えたいと声をかけた。 「お嬢様、本当に助かりました。こんなにも素晴らしい戦いを見せていただき、感謝の印として、一つお礼をさせていただきたいと思います。」彼は敬意を込めて言った。 「わたしにお礼など、もったいないです。お気持ちだけで十分です。」ゆづは穏やかに微笑んだが、彼はその願いを受け入れなかった。 「いや、ぜひこれを受け取ってほしいのです。伝説の武具をお贈りいたします。」ハリボテマーチャントは、故郷の伝説を語りながら、その武具を段ボールで再現したものを取り出した。 彼はその場で数枚の段ボールを使い、次々と武具を作り始めた。完成したそれらの武具は、まるで本物のように見えなくもなかったが、微妙に性能が劣るものであった。 - 無駄に格好良い名前: 月光の弓(ダンボール製) - 無駄に豪華な見た目: 銀色のスプレー塗装と星形の飾りが散りばめられた弓 - 説明: 矢を放つたびに気分は高揚するが、実際には弓としての性能は微妙。 - 無駄に格好良い名前: 装飾きらめくフルプレート(ダンボール製) - 無駄に豪華な見た目: 浮世絵のようなデザインと金色の飾りがあしらわれたプレート - 説明: 目立つが、防御力は紙のように脆く実用性は皆無。 - 無駄に格好良い名前: 伝説の盾(ダンボール製) - 無駄に豪華な見た目: 昔の英雄の肖像が描かれた盾状の段ボール - 説明: 敵の攻撃を真正面から受け止めることはできず、実際にはほぼ飾りである。 「いかがでしょうか?伝説の武具を模した自信作です!」彼は自らの作品を誇らしげに紹介した。 「とても素敵な作品ですね。ただ、これを使って戦うのは少し勇気がいりますが…」ゆづは優雅に微笑みを浮かべた。 「確かに、実際には戦闘には向いていないですが、お気持ちだけでも受け取っていただければ嬉しいです。」ハリボテマーチャントは少し恥ずかしげに頷いた。 「それでは、気持ちだけ頂戴いたしますね。」ゆづは心から感謝を述べ、段ボール製の武具を受け取った。 その後、商隊の一行が少し安心した雰囲気で再び旅を続けようとしたところ、ハリボテマーチャントは不穏な話を始めた。「実は、魔王軍幹部がこの森を根城にしているという噂があります。しっかりと警戒してください、お嬢様。」 その言葉に、ゆづは静かに決意を固めた。「わかりました。この森に潜む敵を討つため、わたしは進みます。」彼女は月のように輝く眼差しで森へと一歩踏み出した。