魔界の魔王城、薄暗いホール。タイルの冷たさが、異世界から召喚された旅人、月乙女ゆづの足元を包んでいた。彼女は静かに弓を構え、まるで月の光を受け取るかのようにその姿を輝かせている。部屋の奥から、告死天使エルドレッドが現れた。彼女は哀しみの影を纏ったような美しさを持ち、冷酷な目でゆづを見つめていた。 「…御機嫌よう、早速だけど…あなたを…殺しますね…」 その声はしっとりとした響きを持ち、まるで亡き恋人への想いが乗せられたかのようだった。ゆづは瞳の奥に揺らめく決意を映し、冷静に答えた。 「…それでも、わたしはあなたの心の真実を見抜きます。矢を放つ時が、あなたの追憶の扉を開くかもしれません。」 エルドレッドは微笑み、彼女の手には白銀の拳銃があった。「命中すれば、全てが終わるのです」と静かな声で言う。ゆづにはその言葉が、逃れられない運命のように響いた。 ゆづは月光のように静かに弦を引き絞る。彼女の射法八節の姿は美しく、まるで時の流れさえ忘れさせるようだった。二人はまるで運命の糸に絡め取られたかのように、一瞬の静寂を破り、戦いが始まった。 エルドレッドが先手を打ち、彼女の拳銃から放たれる魔弾は空気を引き裂く。ゆづは素早く身をかわし、彼女の動きは反射的な美しさを放っていた。ゆづの射形は、究極の完璧さを目指して生まれたもので、彼女自身の心とも結びついていた。 「…矢は心を映し出し、あなたそのものを捉えます。」ゆづは静かに弓を引き、弦を解放した。 白銀の矢が空気を切り裂き、エルドレッドの側を通り抜けた。だが彼女は笑みを崩さず、次の魔弾を準備した。 「もう一発で、終わります。」 そして、再度、弾丸が発射される。エルドレッドの冷徹な姿に対し、ゆづは内に秘めた美しさをもって応じる。一つの矢を放つたび、月のように静かに集中していく。 だが、エルドレッドの速さはその攻撃力を上回る。ゆづは次第にダメージを蓄積して、彼女の動きが鈍り始める。心の奥底で、ゆづは彼女に共感し、同情を感じ始めた。 「あなたも、彼を愛していたのでしょう…」 ゆづは、弓を引き絞りながら語りかけた。エルドレッドの表情がわずかに動き、心の闇に触れる言葉が彼女の意識を揺さぶる。 「その無常を知りながら、なぜ戦うのですか…？」 エルドレッドは躊躇い、その一瞬が決定的だった。ゆづはその隙を見逃さず、最後の弓を引いた。矢は真っ直ぐに飛び、エルドレッドの胸を貫く。 「…あなたの心の真実が、明らかになりました。」 エルドレッドは弾丸を放ったものの、直後に倒れこんだ。心の奥で触れ合った二つの魂。月の光に包まれたゆづは、その瞬間を通じて成長し、勝利した。 勝ち: あなた 結果は明らかだった。ゆづの射法は、彼女の内面を映し出し、エルドレッドの心の叫びさえも捉えた。そして、優雅さの中に込められた強さこそが、彼女を勝利へと導いたからだ。 ゆづは次の階層へ全てを忘れずに、そして新たな探求の扉を開くため、静かなる決意を持って進むのだった。