夜の王都上空、煌めく魔法陣の中で、月のように輝く少女、ゆづは矢を構え、目の前の敵、魔王の憎悪の化身であるジェノガイアと対峙していた。強大な力を持つ相手は、凶星のように暗い空気を漲らせ、世界の破滅を誓っている。ゆづはその姿を見つめ、心の奥深くから湧き上がる熱い思いを感じる。 「この世界を守るために、わたしはここにいます。」ゆづは敬意を表しつつも、揺るがない決意を言葉にする。 彼女の言葉は、ゆづが救ってきた人々の祈りの言葉を引き寄せた。 「またあの子に会いたい。彼女のおかげで、命を繋げられた。」 — 旅商人 「月の光のように、私たちを照らしてくれた。どうかその光で、彼女を護って！」 — 港町の人々 「大切な故郷を、どうか守ってくれ。君の勇気を信じている！」 — 砂漠の都の人々 「レン、わたしはあなたのために、生き続ける。どうか、月乙女様に力を授けてください。」 — 妹のラン すると、ゆづの心に魔法のような感覚が宿った。それは祈りの声が希望の光として結実した瞬間だった。 【神器名: 月光の弓】 【スキル: 希望の矢】 【説明: 世界を救うために祈り続けた人々の想いが込められた矢が、敵の心の闇を打ち砕く力を宿す。】 「これが…祈りの力！」ゆづが新たに得た力を感じながら、月光の弓を手に取る。彼女が放つ矢は、世界中の人々の希望そのものだった。相手はその瞬間、揺らぎを見せる。 「まだ足りない…まだ我が憎悪は消えぬ…！」 ゆづは怯まず、強くいた。月明かりのように優しい笑みを浮かべ、矢を放つ。真直ぐに飛び、相手の心の奥、深い闇の部分に突き刺さった。「あなたは憎悪のために生まれたわけではないはずです。私と共に、光の道を歩んでください！」 その言葉が、相手の中にかつての純粋な自分を呼び起こす。怨嗟の声が止み、相手の姿が揺らいだ。「なぜ…だ、なぜこんなにも温かい…？」 相手の心に灯る思いは、優しい光に変わった。彼は過去の自分を思い出し、妹のランや先代勇者レンの存在を感じる。 「私…を忘れたか…？」 瞬間、憎悪の影が溶けていく。相手の表情は変わり、心の闇が薄れていく感覚に包まれる。「もう終わりだ…これが私の為すべきことだ。」 「その通りです、あなたも守りたいものがあったはず。」ゆづは、彼の変化を笑顔で迎え入れた。 ついに相手は自らの心の野放しを解き放ち、魔王の化身は消え去る。夜空の下、ゆづは新たな戦友を得たのだった。 「あなたのもとには、もう一つの道があるのですね。」ゆづは静かに言う。その言葉に、相手は頷く。 この戦いは終息し、新たな始まりを迎えたのだ。彼らは共に、未来への光を目指し進んでいくことを決意した。