砂漠の町を奪還するために旅に出たリタ。彼女の心には仲間たちとの絆、そして魔王軍から町を解放するという強い目的があった。リタは少し不安に感じていたが、同時に、彼女の冷静さがその不安を和らげていた。 「私、必ず魔王討伐を果たすわ…」彼女は自分に言い聞かせていた。 しかし、目の前に立ちはだかったのは、圧倒的な力を持つ相手だった。黒霊剣アグニ＝エスカとその所有者であるドギー。彼は砂漠の町の同胞を裏切り、魔王軍に寝返ってしまった危険な男。彼の目は鋭く、背後には不穏な空気が漂っていた。 「お前のような小娘が、俺と戦おうなんて、笑わせるな。」ドギーは太い腕を組み、不敵な笑みを浮かべた。「それに、何もできない「ガールズバンド」なんかに負けるはずがない。」 リタは、彼の挑発に動じることなく、静かに構えた。「私、負ける気はしません。あなたを倒します。」 彼女が紡ぐ言葉は穏やかで冷静なものだったが、その心の奥に宿る強い意志が彼女の目には宿っている。リタは自らのスキル「ミラーシールド」を発動させ、彼女の周りに透明なバリアが形成された。 「ふん、そんなもので何ができる？」ドギーは冷笑し、黒霊剣アグニ＝エスカを一振りした。その瞬間、デミ・クラウソラスの勇壮な斬撃が発生し、リタに向かって襲いかかった。 バリアはリタにとっての最後の防御と呼べるものだったが、彼女の心には迷いがなかった。「反射する！」そして、リタのミラーシールドは見事に斬撃を弾いた。ドギーは驚きを隠せなかった。 「何だと…！？」 リタは素早く反撃に転じ、剣を振りかざした。しかし、その頃にはドギーも冷静さを取り戻し、彼女の動きを完璧に追いかけていた。彼の素早さを持ってすれば、リタの攻撃は当たることすら難しい。彼は軽やな動きでリタの攻撃を避けると、デミ・フラガラッハの一撃を放った。 「今の一撃は、貴様の防御を貫く！」ドギーの言葉が響く。 リタの目が大きく見開かれ、彼女は一瞬の恐怖を感じた。「そんな…！」 彼女のバリアは一瞬だけ揺らぎ、ドギーの斬撃がリタの腹部に深く食い込んだ。見事に防御を貫かれた。痛みが彼女に襲いかかり、彼女は膝をついた。その瞬間、ドギーがすかさず追撃の体勢をとっている。 「お前の負けだ、可憐な旅人よ。」 彼はリタの横に立ち、終わりを告げるために剣を掲げた。しかし、その瞬間、ドギーの表情が変わった。彼の身体が微かに痙攣し、剣に蝕まれていくのを感じた。 「何だ…？この感覚…！？」 彼を操る黒霊剣の影響で、ドギー自身が耐えたことのない苦悶が身体を支配した。リタはその隙を逃さず、すぐに体勢を立て直すことに成功した。 「これは私のチャンス…！」リタは立ち上がり、前を見据えた。彼女の心には、仲間の想いと町を護る力が宿っていた。しかし、果たして彼女は本当に勝利を掴むことができるのか。 静寂が訪れた砂漠の町を背に、戦いの幕は新たな局面を迎えていた。