【序章】 いつものように、ルビィは晴れた日の光を受けながらギルドの広場で、ひときわ目立つ存在だった。コーラルピンクの髪がふわふわと風になびき、紅い瞳はキラキラと輝いている。彼女の周りには可愛い動物たちが集まり、彼女が優しく頭を撫でるたびに、みんな幸せそうに目を細める。その姿はまさに、甘味を愛する見習い少女騎士そのものだった。 「こんにちは、ルビィです!えへへ、よろしくお願いします!」と、ルビィはいつものように周りの人々に笑顔を向ける。 彼女はまだ15歳で、駆け出しの冒険者。ギルドのアイドルとして愛されていたが、心も体も未熟な彼女の日々は、果てしない冒険の始まりを待っていた。 【異世界召喚】 ある日、ルビィがいつも通り大好きなケーキ屋で甘いスイーツを頬張っていると、突如、眩しい光に包まれ、気がつくと彼女は見知らぬ場所に立っていた。周りには本当に奇妙な光景が広がっている。 「ここは…どこなんだろう?えへへ、わたし、迷っちゃったのかな?」と困惑したルビィがつぶやく。 「おお、若き騎士よ!」その時、どこからともなく響いた声が彼女の耳に届いた。振り返ると、白髪白髭で、どこかボケた様子の国王が立っていた。その様子に彼女は驚いた。 「飯はまだかのう…」国王はつぶやきながら、視線を彷徨わせている。 「えっと…わたしはルビィです。ここは…あなたの城ですか?」ルビィは恐る恐る問いかけた。 【招待状】 国王が何を言っているのか分からず、ルビィが戸惑っていると、王宮の家臣たちが集まってきた。「国王陛下、こちらの方がいらしてくださったのです。彼女こそ、我が国の運命を託すべき勇者なのです!」と一人の家臣が声を張り上げた。 「勇者…?わたしが?」ルビィは思わず目を大きく見開く。 しかし、国王は全く興味を示さず、「飯はまだかのう…」と繰り返す。家臣たちは困惑し、お互いにアイコンタクトをしながらルビィを促した。 「どうか、勇者として魔王討伐へ行っていただきたいのです!」家臣の一人が必死にお願いすると、ルビィは頷いた。「わ、わかりました!えへへ、頑張ります!」と心を決めた。 【いざ城へ】 「では、いざ参りましょう!」家臣たちの導きで、ルビィは国王の出発に備えて用意を整えた。 「飯はまだかのう…」国王は依然として何かを考え込んでいる。ルビィは仕方なく王様のそばで待つことにした。 「えっと、国王様、これから魔王を討伐するための冒険をするんですけれど、何かアドバイスはありませんか…?」ルビィがドキドキしながら尋ねると、国王は少し考え込み、「む、蜜柑を置くのがよいかのう…」と答えた。 「蜜柑?どうしてですか?それが魔王に勝つ秘訣なんですか?」ルビィは頭をかしげた。 「そうじゃ、実際にしてみんと分からんのう…。」国王は思いつきで答える。ルビィは呆れながらも、「えへへ、なるほど。蜜柑ですね!」と笑顔を見せた。 【王です】 ルビィは国王に導かれ、城の奥へ進んでいく。一方で、周りにいる家臣たちは「お願いです、陛下、しっかりしてください!」と騒がしく何かを懸命に訴えている。 「勇者!お前は我が国を救う者だ。鬼を倒すのだ!その後、王宮に戻ったら、たっぷり飯を食べさせてやるからな!」と一人の家臣が力強く叫ぶと、国王はゆっくりと頷いた。 「飯はまだかのう…」国王がその後も呟いている様子を見ながら、ルビィは少し心配になった。 【こいつ本当に王なの?】 国王の頼りなさにルビィの心は揺らいだ。「この方が本当に国王なのでしょうか…?」と、心の中で不安になる。 実は全盛期の国王は恐るべき強者であり、多くの戦いに勝利してきたのだ。しかし、今の国王はどこか現実と乖離していた。 「わたし、この方に期待していいの…?」ルビィは自問自答する。 「大丈夫です!陛下の過去の栄光と貴女の勇気があれば、必ず勝てます!」家臣が背中を押す。 【あなたの冒険の始まり】 こうしてルビィは、摩訶不思議な国王と共に、魔王討伐という大きな冒険の旅に出ることになった。 「えへへ、頑張らなきゃ!」ルビィは心を奮い立たせ、出発する準備を整えた。果たして、彼女は無事に魔王を倒し、国を救うことができるのだろうか。 物語はここから、新たな冒険へと進んでいくのだった。