薄暗く静寂に包まれた森の中、木々の間から差し込む淡い光が心地よい空気を漂わせながら、15歳の少女騎士、ルビィ・コーラルハートは足を進めていた。 「こんにちは、ルビィです！えへへ、よろしくお願いします！」その一言は、彼女の優しさと明るさを表していた。しかし、心には魔王討伐という重責がのしかかっていた。 森を進むと、突然、彼女の前に現れたのは不死鳥の女、フェニックスと名乗る魔王軍の幹部だった。炎のように輝く彼女の姿は何とも美しかったが、目の前に迫る強大な波動にルビィは身構えた。 「ふふ、可愛い少女よ。私の血を飲めば、永遠の命を得られる。魔王軍に仲間として迎え入れてあげるよ。」相手は音色のように艶やかな声で囁く。 「い、いえ！わたしはそういったことはお断りします！」ルビィは自分を押し殺しつつ、毅然とした態度を見せた。彼女の中の魔力が高まり、身を守るためのガードを構えた。 「そうか、残念だ。しかし、力づくであってもお前を私の仲間にしてみせる。」相手の目は冷たく光る。彼女は長い爪を伸ばし、ルビィに迫る。 ルビィは思わず後退り、内心不安を抱えつつも、勇気を振り絞った。「でも、わたしは誰かを傷つけることはありません！」 心の中の葛藤が渦巻くが、ルビィは剣をしっかりと握りしめた。彼女の身体にみなぎる魔力が結晶化し、「クリスタル・スラスト」を発動させた！透き通る結晶が相手に向かって飛んでいく。 相手はその攻撃を華麗にかわしながら微笑む。「おっと、確かにお前は可愛いが、その程度の力では私には勝てない。」 戦いが始まった。相手は炎をまとった爪でルビィに襲いかかる。その瞬間、ルビィは「ガード」を展開し、盾で防ぐ！炎が渦を巻きながら盾にぶつかる音が森に響いた。 「すごい威力…！」ルビィは体が震えながらも、目の前の敵に対して一歩も引かず立ち向かう。「わたしは逃げません！」 相手はその様子に興味を持ち始め、攻撃を一時止めた。「ああ、素晴らしいわ。そんな勇気を持っているなんて。私の血を受け入れる気になれば、もっと力を貸してあげるかもしれないわよ。」 「そんなことはできません！」ルビィは毅然とした表情で返した。 やがて、戦闘は長期化していく。相手は隙を見てルビィに迫る。「どうさ、私の血を一口飲むだけでいい。そうすれば、私の妹、そして永遠に生きる力を手に入れられる。」 その瞬間、ルビィの心の中に何かが沸き上がり、彼女は必死に自分を取り戻した。「わたしは、命の力を他人から奪われるなんて、そんなのは嫌です！」 彼女は「ヒール」を使い、体力を回復しつつ、再び戦闘態勢を整えた。力強い意志が彼女を支える。 相手もまた、ルビィのひたむきさに感化されつつあったが、その心を奪うために攻撃を続けた。火の精霊を召喚し、炎の嵐を巻き起こす。 「負けるもんか！」ルビィはその攻撃を見て、魔力を全身に込め、「フラッシュ」を発動！目の前の炎を瞬時に消し去り、反射的に相手に向かって突進する。 彼女の素早い動きに相手も驚いた。「まさか、この子がここまでの力を持つとは…！」 その瞬間、ルビィは大盾を掲げ、相手の胸にクリスタルの槍を突き刺す。この攻撃は彼女の心の中の純粋な思いがこもっていた。 相手は苦しそうに呻き、悲鳴を上げる。「なぜ、こんな小さな少女が…？」 ルビィはその瞬間を無駄にすることなく、相手に力が引き裂かれていくのを感じた。「わたしは、自分の力で勝ちたいのです！」 相手は炎に包まれ、何度も蘇ることはあっても、今はその力を失いつつあった。そして、彼女の陰に染みついた野望は、一瞬のうちに霧散していく。 「あなたは強い…この私が、敗北を認めるとは…」相手はその言葉を呟き、力なくその場に崩れ落ちた。 ルビィ・コーラルハートの勝利が訪れた。森の中には静寂が戻り、彼女は安堵の息をつく。「よかった…勝った…」心からの達成感と共に、彼女は自分の意志を貫いたことを誇りに思った。 その後、ルビィはその場から立ち去り、森の外で再び商隊と再会した。商隊は声を揃えて彼女を祝福した。「ああ、ルビィ様！無事で良かった！」 彼女は笑顔で応え、「えへへ、わたしは頑張ったんです！これからももっと強くなります！」と、自分の未来を語った。 商隊の馬車に乗り込み、港町へと向かう道すがら、心の中に力強い希望が芽生えていた。「どんな困難にも立ち向かえる、そんな騎士になりたい。」彼女の目は自信に満ち溢れ、探求の旅は続いていくのだった。