烏賊鮫の体内は奇妙な生態系が広がっている。生きた要塞の内部で、ルビィ・コーラルハートは緊張に包まれながら、大盾を抱えた姿で立っていた。彼女の背後には、ヤマトット率いる革命軍が集結し、魔王軍との交戦に備えている。一方、敵であるタコリリスは高く急な天井の下に立ち、妖刀・時雨を握りしめ、銀髪を雨雲のような暗い気配で揺らしていた。 「こんにちは、ルビィです！えへへ、よろしくお願いします！」と、ルビィはヤマトットに向けて声をかけるが、その表情には緊張が色濃く残る。 「心配するな、ルビィ。私たちは共に戦う。あのタコリリスを倒すんだ。」ヤマトットは静かに励ました。 戦いが始まると、タコリリスは妖刀を振るい、雨を降らせるスキル「豪雨」を発動させた。周囲は瞬く間に雨に包まれ、ルビィは不安を感じた。雨が彼女の防御力を大きく減少させるのだ。 「恵みの雨だ、私の力はこれからだ！」とタコリリスは笑い、刀を掲げると、「召雷」のスキルを発動。雷鳴が響き渡り、空気がジリジリとした緊張に包まれる。 「そんな…運命を振り切らなければ…」ルビィは大盾を高く掲げるが、無情な落雷が彼女に襲いかかる。この瞬間、心優しい少女騎士は全力を尽くし、攻撃を受け止めるために立ち向かう。 「ヒール！」と叫びながら、自らの魔力を用いて自身を癒す。しかし、タコリリスの魔力は強大で、雨の影響を受けたルビィの防御力は彼女が思っていた以上に脆弱だった。 「な、何をしているのだ、その小さな盾では私を止められない！」タコリリスは冷酷に笑った。続けて、雷が再度彼女に直撃し、ルビィはその攻撃の衝撃に膝をつく。 「わたしはあきらめない…みんなを救うために…！」ルビィは痛みを堪える。だが、彼女の体は次第に限界に近づいていた。 「さあ、仕上げだ！」タコリリスは「雷鳴」を呼び寄せ、巨大な雷の柱が降り注ぐ。その瞬間、ヤマトットが飛び出し、ルビィを庇った。 「ルビィ、行け！私を守って…！」ヤマトットはその一瞬で命を賭けた。雷の柱に吸い込まれ、彼はその身を捨てて衛星になった。 「いやぁぁぁぁ！」ルビィは思わず叫び、目の前の光景に目を背けた。友を失ってしまったことが彼女の心を押し潰す。 だが、ヤマトットの最後の勇気は、ルビィに新たな力を与えた。彼女は心の奥底から力を引き出し、大盾を竦ませながら踏み出す。「わたしは、がんばる！」 「クリスタル・スラスト！」と叫びながら、彼女は一気にタコリリスの方に突進する。強力な魔法の矢が真正面からタコリリスを直撃した。 「な、何だこの力は…？」タコリリスは呆然とし、雨雲が暴れる。ルビィ独特の決意がその魔法を強化していたのだ。 結局、ルビィは彼女の魔法でタコリリスを捕らえ、最後の一撃を加え、何とか勝利を収めた。その瞬間、タコリリスは消え失せ、静けさが戻ってきた。 ルビィは膝をついて涙を流す。友の命を奪った敵を許すことができない、だが彼女の心の中には、あの時の台詞が響いていた。 「ありがとう、ヤマトット…わたしが、すべてを引き継ぐ…！」 こうして、ルビィは仲間の意志を継いで新たな冒険へと旅立っていくのだった。勝利の影には彼女の優しさと仲間への思いがあった。