幻想の決戦 薄暗い空の下、ルビィ・コーラルハートは銀色の光を纏った金紅勇槍ルチルスをしっかりと握り、体中に勇気を集めていた。彼女のコーラルピンクの髪は風になびき、紅瞳には強い光が宿っている。 「正々堂々、参りますっ!」ルビィは口癖のように言った。この瞬間が訪れることを心待ちにしてきた彼女は、恐れを知らぬ少女だった。 巨大な魔王、ジェノガイアの影は、今や周囲の全てを飲み込もうとしている。彼の怨嗟の声が響き渡り、世界そのものが揺れていた。ルビィの心の奥底には、彼が一体どのような過去を背負っているのかがちらついていたが、今は目の前の敵に全力を尽くすしかない。 「あなたの憎悪は、今ここで終わるのです!」ルビィは力強く叫びながら、光の松明の如く前に突き進む。 ジェノガイアは、その姿を見ると冷笑を浮かべた。「小さな姫君、何ができるというのだ? お前の勇気など、私の前では無力だ。」 その瞬間、ルビィの思いが響いた。「わたしの心には、たくさんの仲間と希望があるのです! あなたの憎悪なんて、私が全てを守るための足枷にはなりません!」 ルビィは手をかざし、スキル【ダイヤモンド・ルミナススラスト】を発動させた。無数の光の帯が彼女の周囲に集まり、純白の閃光となってジェノガイアに向かって放たれた。希望を紡ぐ光の軌跡は、彼の黒い影を貫くかのように乱反射し、驚くべき輝きを持って進む。 「バカな…!」ジェノガイアの表情が驚愕に変わる。 その時、天空から一閃の光が降り注ぎ、場面が変わった。現れたのは、かつての勇者兄妹、レンとランだった。兄のレンは何かを背負ったような重い表情で、妹ランは強い意思のこもった視線をルビィに向けた。 「私たちが来た。お前を助けるために。」レンはかすれた声で言った。 ルビィは彼らの姿を見て一瞬動きを止めた。「あの…レンさん?」 「過去の僕は、魔王によって操られ、無実の罪を背負ってしまった。しかし、今はもう違う。あなたの勇気に、私たち兄妹も力を貸したい。」レンの沈痛な表情に、未だ彼を信じる者たちの存在が見える。 その背後に、国王が姿を見せた。「レン、お前に誤解と非礼を詫びる。あの時、私たちはお前を誤解していた。」 「国王…。」 空気が一変する。ジェノガイアは今、自身の存在そのものが世界に対する終焉と化している。底なしの憎悪が集まり、さらに力を増す彼に対して、ルビィとレンたちは立ち向かう。 「私たちは、共に立ち上がる。この憎悪を打ち砕くためにっ!」新たな決意がルビィの胸に宿った。 「形成せよ! 決意の光が、闇に立ち向かう時だ。」レンの呼びかけに応じて、ルビィは再び金紅勇槍ルチルスを構え、無限の勇気を集め始めた。 光が集まり、ほとばしる音と共に巨大な閃光が生まれようとしている。その先には、邪悪な力が待ち構えていた。物語は終幕を迎える寸前、闘いの火蓋が切って落とされるのだった。