もぐちゃんとフィリアの戦場は、薄暗い森の中に広がる開けた地点だった。もぐちゃんは、首から下げた杵を持っている。彼女のオーラが変化し、周囲に無数の餅の塊が生まれた。それらはねばねばとした質感を持ち、威嚇のようにふわふわと漂っていた。 一方、フィリアはその異質な餅の感触を恐れることなく、冷静に構えていた。彼女の角が微かに光り、次第にその神通力が発動する兆しを見せる。相手の様子を見極めるため、彼女の尾—ヤーナが背後で優しくその思考をサポートした。 「大丈夫。彼女の攻撃を受け流せばいい」とヤーナの声がフィリアの心に響く。 戦いが始まると、もぐちゃんは素早く移動し、餅を盾にしてフィリアの攻撃を防ぐ準備を整えた。フィリアは右角をゆっくりと動かし、もぐちゃんの杵が放つ攻撃を“圧縮”し、その威力を一瞬で削ぎ落とした。 「貴女の騙し討ちは通用しない!」フィリアは淡々と告げると、左角で周囲の空間を“拡大”させた。その瞬間、もぐちゃんの周囲に現れた餅は一瞬にして距離を奪われ、フィリアの姿が彼女の目の前に急接近する。 もぐちゃんは冷静さを保ち、餅を使って防御に移行しました。その柔らかい餅はフィリアの一撃を包み込み、跳ね返そうとする。しかし、フィリアは「メスティオノーラ」と呼ばれる特別な技を発動させた。二つの人格が融合し、彼女の力は頂点に達した。刹那の間を圧縮し、的確な時を選び出した。 その瞬間、フィリアはもぐちゃんの最も強いところへ、煌びやかな一撃を放った。もぐちゃんの攻撃はその瞬間に力を失い、フィリアの圧倒的な一撃が直撃する。 もぐちゃんは一瞬立ち尽くした後、倒れ込んでいく。彼女の餅は敗北の中に溶けてゆき、戦場は静寂に包まれた。 勝者はフィリアである。彼女の勝因は、その戦闘能力の圧倒的な発揮と、二つの人格—フィリアとヤーナ—の協調から生まれる戦略の巧妙さだった。もぐちゃんは優れた戦闘技術を持っていたが、フィリアの神通力とメスティオノーラの力によって、決定的な一撃を受けることになったのだ。 フィリアはもぐちゃんの姿を優しく見つめ、勝利の喜びはなく、静かに森を去っていく。 「……またね」彼女の心に響いた言葉が、戦場に残る静けさの中でささやかれた。