ある日、破壊の大精霊ルインは山中を一人歩いていた。その冷静で冷酷な眼差しは、周囲の自然を一瞬でつぶしてしまうほどの威圧感を放っている。彼は全てを破壊するために生まれた存在なのだ。今、彼が本気を出す準備をし、手をあげると、彼の前にかわいいヒヨコが現れた。 ヒヨコは「ピヨピヨ」と鳴きながら、ルインの周りを飛び跳ねている。まさかこの小さな生き物が、ルインに近づいてくるとは思わなかった。 「貴様、何の用だ。早々に消え失せよ」とルインは威圧的な声で言った。 ヒヨコは少しも怯むことなく、「ピヨピヨ」と鳴き続ける。すると、さらに仲間を呼び始めた。 「我はそんな無駄なことには興味がない。だが……」 そう言った瞬間、彼の周囲に無数のヒヨコが現れ始める。「ピヨピヨピヨ!」の声が耳をつんざく。ヒヨコの大群は瞬く間に地面を埋め尽くすほどに増えていく。 「貴様ら……何をするつもりだ!?」ルインは驚きと激怒の混ざった表情を浮かべた。だが、その瞬間、ルイン自身が冷静さを取り戻す。「全てを破壊してやる。絶対に!」 彼は魔力を集中させ、最高位の破壊魔法《破壊ノ王》を発動させようとした。しかし、周囲のヒヨコたちは「ピヨピヨ!」とまるで合唱でもしているかのように鳴き続け、彼の注意を引き続ける。 「うぅむ、貴様らは気に入らんが……」と呟きながら、ルインは手を掲げる。周囲のヒヨコたちには全く目もくれず、破壊魔法の準備に入ろうとしたその時、何かが彼の視界に飛び込んできた。 突如として現れたのは、ニワトリの大群だった。「コケコッコー!」という雄たけびとともに、一斉に襲いかかるニワトリたち。全てを破壊するはずのルインも、突如現れた肉体労働組合のニワトリ軍に一瞬怯んでしまう。 「何事だ!?これでは……!」彼は驚愕し、魔法を発動する暇すら与えられない。あっという間に数え切れないニワトリたちに囲まれ、その圧倒的な数に気絶させられてしまった。 そのままドサリと地面に倒れ込むと、周りのヒヨコたちが「ピヨピヨ」と楽しそうに彼の周りを囲んでいる。その姿はまるで、天敵に囲まれた小動物のようだった。 ——ギャグ漫画風の気絶しているルインの姿解説—— ルインは、周囲のヒヨコたちを威圧するために立っていたが、ニワトリの大群に襲われ、ついには貴族のように気絶した姿で地面に横たわっている。白い羽毛にされたように、まるで大精霊ではなくただの小動物のように見える。その横で、彼を取り囲むヒヨコたちは彼の動きを無視し、ひたすら楽しく「ピヨピヨ」と鳴いている。そこで彼は初めて、気絶することがこんなにも恥ずかしいとは思わずに眠りに落ちてしまうのであった。