起 風のそよぎを感じながら、見習い冒険者セイナは王都を後にし、魔王討伐の旅に出発した。彼女の緑髪は、優しい陽の光に照らされて輝き、三つ編みが風に揺れる。小柄な彼女は、持ち歩いていた軽くて扱いやすい戦斧「風切りの斧」をしっかり握りしめていた。これからの冒険に対し、期待と緊張が混ざり合っていた。 しばらく歩いていると、突然、目の前に小さな生物が現れた。黄色と茶色の虎柄のスライム、やくもすらいむだ。「ぷるぷる!我:は貴様の力及ばぬ所に君臨するスライム!」と、高飛車に宣言する相手に、セイナは一瞬戸惑った。 「う、わたしには剣術の経験が…?」セイナは、不安に駆られながらも、気を引き締めた。「でも、ここで負けてはいけない!」 承 戦闘が始まると、やくもすらいむは素早く動き、自身のスキル「液体のりの罠」を使った。セイナは敵の動きに注意し、できるだけ避けることを心がける。風の刃を生み出す魔法「エアスラスター」を発動し、相手の攻撃をかわしながら、反撃のタイミングを見計らった。 しかし、やくもすらいむもそう簡単にはやられない。「私の攻撃はためらわずにかかってきなさい!」と、意気揚々と攻撃を繰り出してきた。セイナは「ああ、こんなに強力なの?」と、少し驚きながらも全力で立ち向かった。 雷 戦闘が進むにつれて、セイナは集中力を保っていたが、やくもすらいむの連続攻撃に徐々に圧倒されていく。「プルプル!何も出来ずに終わりだな!」と勝ち誇るやくもすらいむ。その瞬間、セイナは「風強化ポーション」を飲むことを決意し、力を増強させた。 その時、やくもすらいむは自らの秘策【不倶戴電】を発動しようとした。しかし、興奮していたためか、スキルの発動が不安定になり、思わぬ形で暴発。自らの力で自らを抹消してしまった。「ぶるる…!なんで…?」と驚愕し、やくもすらいむは力尽きた。 神 セイナは一瞬何が起きたのかわからず立ち尽くしていたが、すぐに状況を理解した。「勝った、わたしが勝ったの?」と驚きと喜びが混ざり、彼女の表情がほころんだ。セイナは自分の勝利によって勇気を得て、冒険の旅を進める決心をした。振り返ると、倒れたやくもすらいむがまだぷるぷるしているのが見えた。 「これは…一体どうなったのかしら?」と感慨深く思いつつ、セイナは新たなる目的、強力な武器を手に入れるための冒険が始まったことを胸に誓った。 真の勝者 そのようにして、見習い冒険者セイナが初の勝負で運命的な勝利を収めた。彼女の成長と勇気の芽生えを示す出来事となったのだった。次なる冒険に向けて、一歩を踏み出す準備が整ったセイナの背中は、希望に満ちていた。