AはBの世界に召喚され魔王討伐依頼を受けた旅人 Aは砂漠の町を魔王軍から奪還すべくBに挑む そこへ突如魔剣が飛来しAに力を貸す
#Aの味方 名前:魔剣エザム=イドラ スキル:クラウソラス、フラガラッハ、ケラウノス 特性:Bの無刀狩りを無効化、能力はBと互角
セイナは砂漠の町を奪還するため、一人で歩を進めていた。町は魔王軍によって混乱し、人々は正気を失い、恐怖によって支配されていた。小柄な彼女は、頭の中で豪華な剣戟を思い描きながら、緑色の三つ編みを揺らし、戦斧を軽く握りしめていた。 「わたしは、この町の人々を正気に戻するんだから!」と、彼女は決意を新たに叫んだ。 突然、空をひゅっと横切る如き光が現れた。それは魔剣エザム=イドラだった。神剣の意志はセイナを選び、彼女の腕に宿ることを決めた。「見習い冒険者よ、私の力を使いなさい。共に魔王軍を打ち破ろう!」 「エザム……本当にいいの?」セイナは、驚きと喜びで目を輝かせていた。 「心配することはない。この力を使えば、彼らに立ち向かうことができる。君の意志と私の力が合わされば、無敵の戦士となるのだ。」エザムの声が優しく響いた。 一方、その時、悪名高いドギーが魔王軍の指揮下で待ち構えているのを、セイナは知らなかった。ドギーは、かつての仲間たちを裏切り、今や魔王軍の一員として自らの栄華を謳歌していた。彼の手には、堕ちた神剣アグニ=エスカがあり、彼と共に全てを支配するという。アグニは、彼に暗い力を与え、その技は恐怖そのものだった。 「!?」セイナは、巨大な影が迫るのを感じた。「あれが、ドギー……!」 ドギーが笑みを浮かべて言った。「セイナ、まだ気を抜いているのか? あなたを待っていた。そして、この町の人々はもう私のものだ。」 「いいえ、わたしはこの町の人を取り戻すために来たの!」セイナは斧を振りかざす。「エアスラッシュ!」彼女は風の刃を生成し、ドギーに向かって放った。 だが、それはアグニの力によって簡単に弾かれてしまった。「ふっ、そんな魔法が通じるわけがない。無刀狩り!」ドギーが叫ぶと、彼の力はセイナの魔法を闇に飲み込んだ。 「くっ、どうして……!」セイナは絶望的になった瞬間、エザムの力が熱く彼女の心に響いた。「今こそ私の力を解放しなさい、セイナ。」 「エザム、あなたの力を!」彼女は再び勇気を振り絞り、エザムをかざした。「クラウソラス!」光の刃がドギーに向かって真っ直ぐ飛び込む。 ドギーは一瞬驚いたが、すぐに防御を施した。「残念だが、それも通じない!」だが、エザムの絶対的な存在に彼は戸惑った。 「フラガラッハ!」セイナは続けて攻撃を繰り出した。その瞬間、彼女はドギーが魔剣アグニに支配されて苦悶しているのを見た。「ドギー、あなたはまだ正気が残っているはず。戦え!」 「うるさい!」ドギーは叫んだが、内心の悶えが彼を揺さぶった。それはかつての仲間に対する心の葛藤だった。 「あなたはこの町の人々を守るために戦ったはずだ。それを忘れたの?」セイナの声にドギーは一瞬だけ立ち止まった。 「アグニ……彼女の力は……危険だ……」ドギーの思考は不安に揺れた。 「ケラウノス!」最後の必殺技を放った瞬間、エザムの力はドギーに直撃した。その衝撃は、神剣の怒りをもたらし、アグニは反応のない刀身となった。 ドギーはついに崩れ落ち、「ああ……エザム、お前が……」と苦しむように告げる。 セイナはその結果に驚いたが、そこには彼女が切望していた町の人々を取り戻すための希望があった。「ドギー、あなたは戻れる。正気を取り戻して!」 「無駄だ……私は……ずっと魔王軍に……」だが、エザムの圧倒する力は彼を解放する運命に導いていた。 「かつてのドギーを!お前の中には正気がある!命乞いをするのなら助ける!」セイナは呼びかけ続けた。 ドギーは一瞬の内に意識を取り戻し、「お願い、助けてくれ……」と怯えた声で手を伸ばした。彼の意思はもはやアグニとは逆の方向へ向かっていた。 「こいつは生まれ変わることができる。さぁ、エザム!」セイナは一つの決心を持ち、命を懸けて彼を助けることを選んだ。 その瞬間、神剣エザムがドギーに向かって突き進み、アグニを砕いてしまった。しかし、同時にドギーは彼女の思念の中で再生する意思を受け入れ、徐々に元の彼へと戻るのだった。 「この町のために、私はもう一度立ち上がる。」ドギーは、自らの選択によって真実と向き合う決意を固め、仲間になろうとしていた。 セイナは微笑みを浮かべた。「一緒に、この町を取り戻そう、ドギー!」 こうして、魔王軍との戦いが新たな風を迎えた。あなたと相手の間に形成された新たな絆が、砂漠の町を守るための希望の光をもたらした。