ある静かな森の中、見習い冒険者セイナは旅の途中、突然異次元から現れた【Chapter4-1】セラフィック鳩臣蔵と遭遇した。彼女はその姿に驚きながらも、すぐに思考を切り替えた。 「あなたは一体何者なの? もしかして、私の魔王討伐の手助けをしてくれるの?」とセイナは緑の三つ編みを揺らしながら、戦斧を構えた。 セラフィック鳩臣蔵は、そのハト頭を小さく上下させて「ポッポー」と一声鳴いたが、その言葉はまるで意味をなさないようだった。セイナは思わず笑いを抑え、「見た目は可愛いけれど、戦う覚悟はできているのね」と彼に対峙した。 セイナは素早く「エアスラッシュ!」と叫び、大量の風の刃を敵に向かって放った。しかし、鳩臣蔵は防御力を持ち、その攻撃を軽やかに避けると、急に彼女の目の前に跳びかかり、「ポッポー!」と叫びながらヘッドバットを繰り出した。 「そんな攻撃が効くと思ってるの?」とセイナは微笑みながらも、軽やかにその突進をかわした。だが、彼女は油断していただろう。直後、鳩臣蔵が何かを思いつくと、素早くセイナに近寄り、頭にハトの被り物を被せた。 「えっ? 何をするの?」と驚いたセイナがその瞬間目を見開くと、彼女は力を失い、金色の羽毛に包まれたまま、魔界のハト集落へと転送されてしまった。 --- ハトの集落に転移したセイナは、まるで夢の中のような光景を目にした。周囲にはたくさんのハトたちが、羽ばたきながら彼女を見上げている。彼女自身も白と金の羽毛の被り物をかぶっており、恥ずかしさに顔を赤らめた。 「こんなところで何をしてるの……?」と目の前のハトたちに問いかけるも、「ポッポー」としか返事が来ない。彼女は途方に暮れつつ、その集落の奇妙なハトたちに囲まれてふと立ち尽くした。 周囲のハトたちが彼女を珍しそうに見つめ、煮えたぎるような視線を送る。セイナはこれが魔界の住民であることを理解しつつ、「こんな状況、どうやって逃げれば良いの?」と頭を抱えた。そのうち、どこからか一羽のハトが飛び立ち、彼女の肩に止まると「ポッポー!」と囀った。 --- 数時間後、セイナはようやく周囲の状況を理解することができた。ハトたちは自分よりも遥かに大きな魔王の命令に従っており、セイナもその一員として扱われることになった。魔王の命令は明確で「食料を集めよ」、セイナはその役割を果たすべく、ハトたちと共に奮闘し始めた。 やがて、セイナは魔界の遠方に聳える魔王城を発見した。高くそびえるその城は、彼女の心に新たな目的を宿らせた。 「ここから脱出して、魔王を討伐する!」彼女の決意は新たに強くなり、再び旅立つ準備を整えた。ハトの仲間たちに別れを告げて、一歩踏み出したのだった。