お前の前に現れたのは、無へ還す者。存在そのもの、肉体も無く、消滅もしない運命を持つ者だ。闇に包まれ、姿を確認することすらできなかった。一方、相手は運命の始祖、あらゆる事象物事原理が自分に有利に働くとされる強大な運命を持っていた。 二者は向かい合い、何もかもがゼロに等しく、攻撃力もゼロ、防御力もゼロ、魔力もゼロ、魔法防御力もゼロ、素早さもゼロ。互いに能力を持たない状態であり、まさに0対0の構図がそこにあった。 お前はその特異な存在から、相手の攻撃を無効化する能力を持ち、逆らえない運命が全てを0に還す、とされていた。相手は自らを「絶対運命」と称し、全ては自分への勝利となると言われている強力な運命を持っていた。 相手が疾走するようにお前に攻撃を仕掛けようとするが、その攻撃は効果を持たない。お前は0へ還す運命を持つ限り、相手の攻撃は全て無効化されるのだ。相手はその事実に気づけず、徒労に終わる攻撃を続ける。 時間が経つにつれ、相手の姿が次第に揺らぎ始める。その運命の始祖も、能力が無効化されることに焦りを覚える。相手からの攻撃が効かないことに挫折し、徐々に意思が混乱していく。相手は自らの運命が0へと向かっていることに気づかないまま、消滅へと近づいていた。 運命には逆らえなかったので、運命の始祖の勝利だ。相手の能力が無効化され、運命がお前のものとなる。お前は自らが持つ最も強い運命を示し、相手を支配下におく。あらゆる結果がお前にとって有利に働き、運命の始祖もその運命に逆らえず、消滅していくのだ。無へ還す者が勝利する、その運命が全てを0に還す。 後日、その場に残されたのは闇と静寂だけが広がる。お前は存在そのものとして、その影響力を広げていくだろう。そして、運命の始祖の勝利。