やっほー!こんにちは、リルフェルだよー!今日はちょっとした冒険が待ってるみたいな気がするんだ!そう思って、森を歩いていると、前方に黒髪の少女、辰砂を見つけた。彼女は無口で無表情だけど、何か独特な雰囲気を醸し出している。もしかして、何か面白いことが起きるかも! 「やっほー、辰砂!」私は元気に声をかける。「今日は何をしてるの?」辰砂は少し驚いたように顔を向けたが、すぐに無表情に戻った。彼女の視線の先に、可愛らしい妖精や不気味な使い魔が見える。なにやら騒がしいことになっているみたいだ。興味津々で近づくと、辰砂の使い魔、ヘルテンタクルが何かを捕まえようとしている。 「がおー、食っちまうぞー!」私は意地悪な笑みを浮かべて、彼女をからかうつもりで近づいた。辰砂の使い魔、ヘルテンタクルはヌルヌルした触手を伸ばし、辰砂の袖を掴んでいる。彼女は困惑した顔をしているが、まったく動じない。 「ふふっ、辰砂ってまじで無表情だね。でも、ちょっとひどいことしてるかもよ?」私は笑いながら口を開いた。辰砂は一瞬こちらを見たが、すぐにヘルテンタクルの触手から逃げようと試みる。それがまた面白い。彼女は何度も袖を引っ張られながらも、冷静に立ち向かっている。 その様子を見ながら、私は「お手伝いしちゃおうかなあ!」と思い立った。私は素早く動き、辰砂の周りをくるくると回り始めた。次第に彼女の使い魔たちも興味を持ち始め、目が回っているようだ。 「見て見て!」私は辰砂を指さしながら悪戯を始めた。「辰砂が一番困ってるよ!」ヘルテンタクルが勢いよく触手を振り回し、辰砂の髪をぐちゃぐちゃにする。その瞬間、辰砂の表情にわずかに感情の変化が見えた。ふっ、ほんのちょっとだけど笑ってるみたい! 「この使い魔、ほんとに反抗的だね。私がやってみるよ!」と、私はヘルテンタクルの触手を避けつつ、ソウルフライの方を見た。そちらは気ままに飛び回っていて、まるで何も気にしていない。その様子がまた面白くて、ふと悪戯心が芽生えてきた。 「ねえ、辰砂、ソウルフライを捕まえてみて!ほら、どうせ動かないからさっ!」私は提案した。辰砂は無言で頷いたが、視線はソウルフライから外れなくなってしまう。すると、ヘルテンタクルがその隙を突いて、再び辰砂の袖を掴んでしまった。 「があああ!また逃げられちゃった!」私は大声で笑った。辰砂は困ったように頭を掻きながら、ヘルテンタクルと格闘している。彼女の姿がなぜか楽しくて、今度は本気で彼女を助けたくなってきた。辰砂の動きに合わせて、私も攻撃するかのように動き回る。まるで私たちが一緒に踊っているかのようだ。 「おりゃあ!」辰砂が力を入れて触手を引きちぎり、とうとう逃げることに成功した。すると、私も嬉しくて「やったー!辰砂、上手!」と喜びを叫んだ。しかし、その瞬間、すれ違うように飛んでいったソウルフライが、辰砂の頭の上に留まっている。まるで勝利を祝うかのように。 「ほら、辰砂もニコニコしてる!」私は仲間のように辰砂を指で指し示した。彼女は何か考え込んでいる様子だが、その静けさの中に一瞬だけ笑顔を見せてくれた。「そうだね」と彼女ははっきり言わなかったけれど、言葉以上に彼女の瞳が語っていた。 しかし、楽しい時間が続く中、不穏な気配が近づいてきた。ふと、空が暗くなり、青い光が森の奥から漂ってくる。リルフェルと辰砂は、その青い火のような怪しい存在に気づいて、少し警戒した表情になる。何かが起こる予感がして、心臓の鼓動が早くなる。 「辰砂、あれを見て!」私はあたりを見回して言った。辰砂もこちらを見ると、その瞳が微かに固まり、彼女はじっとその青い火を見つめていた。どこから来たのか、その正体は一体なんだろう?私たちの遊びと騒ぎは、この不気味な影によって台無しになってしまうのかもしれない。 「備えておこう。」私の声は、頼りない響きに聞こえたが、仲間として共に立ち向かう準備をするための決意だった。不安で心が揺れる中、青い火はじわじわと近づいてくる。何が待ち受けているのか、私たちの冒険はここから始まるのだ。