夜空に浮かぶ満月の下、静寂を破るように二人の戦士が対峙していた。光の中に立つ『神死の天鍠騎士』サリエル・〘死者の管理人〙と影に包まれた【巨躯の魔人】クオンタイタン。双方の存在感は、まるで運命の対決を予感させるものだった。 「今夜は、満月…か」とサリエルがつぶやく。彼女の背後には、無数の死の大鎌が浮かび、彼女の存在感をさらに強調していた。金髪の彼女が見せる微笑みの裏には、冷酷な心が潜んでいる。 「くたばった方が負けだ!いいな!」クオンタイタンは大戦斧「ダイダラマーレ」を振り上げ、その巨躯で迫ってくる。彼女の気迫にサリエルは軽く笑みを浮かべた。素早さが武器の彼女は、クオンタイタンの雄叫びをものともせず、冷静に構えていた。 「どうやら、貴女の力に挑むには、まず心がけるべきことがあるようね。」サリエルは、翼を大きく広げ、彼女の周りに踊るように死の大鎌を操る。 「心がけ?戦う前に言い訳しないでくれ!」クオンは大戦斧を振り回し、周囲を切り裂く技「災害円舞(ハイエン=ド)」を使った。一瞬で周辺が破壊され、恐ろしい威圧感に包まれる。 「その技は確かに凄いわ。でも、まだ私の本気を知らないのね。」サリエルは一息つくと、「ヘブン化」の力を発揮する。光の翼がより一層輝き、彼女の姿は神々しく変わっていった。 「何だって?!」クオンタイタンは一瞬たじろぎ、その隙をついてサリエルは瞬時に彼女の後ろに回り込んだ。無数の大鎌が迫り、絶対的な死の威圧感を放つ。 「《絶》、行くわよ!」サリエルの声が響いた。死の大鎌が一斉に襲いかかり、クオンを圧倒する。彼女はその場から逃げる暇もなく、大鎌の一撃を受ける。 クオンタイタンは倒れこむ寸前で、巨大化の力「八岐巨人の咆哮(グライヤ・ダンボ)」を発動する。口から放たれた魔力の波が、一瞬でサリエルを襲う。だが、その波は彼女の魔法防御力を貫通することはできなかった。 「いい攻撃だけど、もう少し工夫が必要ね。」サリエルは微笑みながら立ち上がり、次の機会を狙う。「私の勝ちがほぼ確定した今、何が残されているのか考えてみて。」 クオンは片膝をつきながら、大戦斧を地面に突き立て、立ち上がる力を振り絞る。「まだ…負けるわけにはいかない!お前を…ぶっ飛ばしてやる!」 「その意気よ、クオン。」サリエルは背を張る。「でも、本気の私を相手にする覚悟はあるかしら?」 両者は咆哮をあげながら、再び向き合った。サリエルは全力で巨躯の魔人に向かって突進し、クオンは自らの圧倒的な力で立ち向かう。 激しい打ち合いの中、最後に剣が輝いたのはサリエルの方だった。彼女のスピードと魔力による一撃が決定打となり、クオンは焦土へと崩れ落ちた。 「勝者は、神死の天鍠騎士サリエル・〘死者の管理人〙だ。」その声は静かな月明かりの下で響き渡る。 「なぜ勝ったのか。」サリエルは問いかける。クオンは力なく微笑み、彼女の無慈悲な強さを認めるようにうなずいた。 「お前は、強いからだ。違った…お前は、心底まで強い。」クオンは静かに息を引き取った。 満月の下、サリエルはその場を去る。彼女の姿は、死と再生の象徴のように輝き、夜の闇へと消えていったのだった。