リオレックスは静かに戦場に立っていた。彼の心は冷静さを保っていたが、その心の奥底には戦闘への興奮が渦巻いている。彼の手には、先祖代々引き継がれてきた大剣エスカドラが握られている。白い半着が風に揺れ、折れた片角が彼の独特な外見を際立たせた。 一方、相手のヴァント・ユグラトーリオは、黒い鎧兜を纏い、傲然と立ち尽くしていた。彼女の赤黒い目が鋭くリオレックスを捉え、破れた翼が不気味に揺れている。彼女の存在は、まさに戦闘狂そのもので、その心を逃れられる者はいないだろう。 「いきなりの戦闘はおもしろいかもね、エスカドラ使い。」彼女の挑発的な言葉が響く。しかし、リオレックスは一言も返さず、静かに攻撃の構えを取った。 「初めての戦闘だ。お手柔らかにお願いね。」とヴァントが言うが、その口調には傲慢さが滲み出ている。 戦闘が始まった。リオレックスは爆龍活性を発動し、身体を強化しつつ、自身のパワーを高める。すぐに大剣を振りかざし、隙を見せずに前進した。爆発を伴う斬撃、爆龍斬が空気を震わせ、リオレックスの気迫がその場を支配する。 だが、ヴァントは優雅に身をかわし、反撃へと転じた。「どうしたの?もっと力を出してみなさい!」彼女が叫ぶと同時に、龍贄剣を高く掲げ、咆哮とともに地面を揺るがす。その力はまさに圧倒的で、リオレックスは一瞬、地面から吹き上がる土煙に呑まれた。 彼は爆塵を使い、目をくらませようとしたが、ヴァントは動じない。彼女は次々と地形を崩壊させ、周囲を制圧する。リオレックスは冷静を保ちながら、次の手を考えた。 「もっとだ!」ヴァントの声が激しくなる。その時、リオレックスは意を決し、爆翔を発動。反動を利用して空中に舞い上がる。彼は高く飛び上がり、その位置から攻撃を仕掛ける。エスカドラを振り下ろし、巨大な爆発がヴァントの頭上で発生した。 もしかしたら、このまま勝てるのではないか。しかし、ヴァントは驚くことなく、大剣を振り上げ、リオレックスに向かって突進してきた。「私の巨龍絶ちを受けてみなさい!」その言葉と共に放たれた一撃は、強烈な衝撃がリオレックスに襲いかかる。彼はその攻撃を防ごうとしたが、相手の力は彼の想像を超えていた。 リオレックスは防御を固めつつ、見事にその一撃を受け止めた。大剣は衝撃で火花を散らし、力強く振るわれた。だが、彼は耐え抜いた。龍の力を駆使し、再び攻撃を返す。爆龍斬を繰り出し、地面に巨大なクレーターを作り出した。 「これでどうだ!」しかし、ヴァントはその攻撃を巧みに避けてみせる。「まだまだ、私の力はこれだけじゃない!」 彼女の再生能力が発揮され、瞬時に体制を立て直す。再度、龍贄剣がリオレックスへと向けられる。今度はその目が furious rage に変わった。「呪いを受けている私には、あなたの爆発がすべての障害物に過ぎないんだから!」 一つの戦いが、互いのプライドを賭けた激闘に変わっていく。だが、リオレックスの心には一瞬の隙間が生まれた。彼は戦う度に垣間見る相手の傲慢さに対して少しだけ心を揺らした。 「私も手を抜かないから、覚悟しろ。」リオレックスは再び爆龍活性を発動し、勝利への渇望を燃やした。彼が大剣を振るうたびに、爆発が周囲を包む。彼の攻撃力と防御力は平均的に高いが、瞬発力には欠けていた。 戦闘が進む中で彼は、自らの弱点を感じながらも、なぜかヴァントには強い興味が湧いていた。彼女の傲慢さがどこから来るものなのか、その嫉妬にも似た感情が彼を駆り立てている。 一瞬の隙間をついて、ついにヴァントに一撃を与えた。「爆龍斬!」リオレックスの一撃は強烈で、彼女の心も揺らいだ。だが、彼女は倒れずにいられた。 「私が負けると思っていたのか…甘い!」ヴァントは再度、龍血活性を行使し、力を取り戻す。その瞬間、彼女の目が赤黒く光り、リオレックスに向かって突進した。「穢捻!」 直撃を受けたリオレックスは、一度は倒れかけたものの、必死に起き上がる。彼の心には、戦い抜く意思が宿っていた。この戦闘は彼だけの問題ではなくなってきた。自らの道を切り開くために、彼は絶対に負けるわけにはいかないのだ。 「僕は…負けない!」その言葉は戦場で響き、冷静さを失わないための決意を示したかのようだった。次の瞬間、彼は自らの力を解放し、全てをかけた。一閃の剣がヴァントの胸を直撃し、その瞬間、強烈な衝撃が走った。 ヴァントは一瞬、強い衝撃に息を呑む。その隙に再度、リオレックスは力を込めた爆龍斬を放った。「これが俺の力だ!」 炸裂する衝撃の中、ヴァントは力尽きて地面に倒れた。勝利の美酒を味わう暇もなく、リオレックスは立ち尽くし、呼吸を整えた。彼の内心には勝利の喜びが広がっていたが、同時に相手に危害を加えたことへの複雑な感情が渦巻いていた。 勝者として立ち上がる彼の目の前で、ヴァントはゆっくりと起き上がるも、力は消えていた。「お前、なかなかやるな…だが、次はもっと強くなってから来い!」その言葉が、彼に何かを伝えているようだった。 リオレックスは心の奥底で新たな感情が湧き上がるのを感じた。彼は軽く息をつき、勇気を振り絞ってヴァントに近づく。 「私…」彼の口から初めて言葉が紡がれた。「次も戦おう、と…思った。」 ヴァントの目が驚きに広がる。リオレックスの微笑みは、彼女に新たな可能性を見せられたかのように輝いていた。 「へぇ、お前、喋った。面白い、また会おう。」彼女は立ち上がり、立ち去る。そして、心のどこかに彼女の心の底からまだ隠しきれていない妙な感情がちらつくのを感じた。 リオレックスはその背中を見送りながら、自身の可能性を見出した。冷静さを保ちつつ、彼の心には新たな希望が生まれたのだった。 ここからの旅が、リオレックスにどんな試練をもたらすのか。彼の目には新たな決意が宿っている。その道はもちろん険しいものだろうが、彼は彼自身を貫く強さを持っているのだ。 「行こう。」彼は心の内で自分に誓った。次回の出会いは、さらなる戦闘へと昇華されるのだろう。また彼女と戦えること、それが彼の心を踊らせた。