「よーい……アクション!!」 『帰れ~!』 『お前それでもヒーローか!』 ショワッチ! 『卑怯者ォ!』 『真面目にやれー!』 ショワッチ! 『あの野郎何考えてやがる!?』 ゲドニウム光線! 周辺一帯がゆらぎ、巨大な光の波が相手を襲う。しかし、相手は映画監督、演出をうまくやり遂げなければならない。 「よーい……アクション!!」 『帰れ~!』 『お前それでもヒーローか!』 ショワッチ! 『卑怯者ォ!』 『真面目にやれー!』 ショワッチ! 『あの野郎何考えてやがる!?』 ゲドニウム光線! この決定的な瞬間に、相手はしっかりとカメラに映る位置に立ち、映画のクライマックスを狙う。 「はいカットォ!!OK!!お疲れっしたぁ!!」 『帰れ~!』 『お前それでもヒーローか!』 「お疲れっしたー」 労いの言葉がスタジオに響く。それもそのはず。難航していた映画の撮影が、今この瞬間撮り終える事ができたのだ。 汗を拭っていると、監督が私に笑いかけた。 「迫真の演技だったな!売れるぞこの映画!」 「あはは…ありがとうございました」 私は愛想笑いを浮かべ、さっさと立ち去った。