戦闘開始 ストルネール・シーヴは、黒いマントが夜空のように揺れる舞いで、背負った小さなシルクハットを傾けながら、時折口元に浮かんだ笑みを隠そうともせず、目の前の魔王を見つめていた。 「ねぇ、貴方のことをただの魔王だなんて思ってないから。もっと面白いこと、期待してるのよ♪」 しかし、魔王は一切の感情を表に出さず、無言でただ立ち尽くしている。彼の周りには何も無い、まるで空気が彼を包み込んでいるかのようだった。 「そう、余裕ね。じゃあ、まずは私のスキルを盗んでみせる♪」ストルネールは、瞬時に「貴方のスキル、盗んじゃった…♪」と、黒い手を伸ばして相手のスキルを掴む。だが、相手は淡々とした態度を崩さず、ただその場で静止している。 「どうしたの？それとも、反撃の準備ができてないの？」彼女はさらに挑発する。その瞬間、ストルネールは軽やかに舞い踊り、「夜空を舞う大怪盗」の技を使い、相手の攻撃をすり抜ける。彼女の動きはまるで流れる水のように滑らかで、華麗に受け流していく。 決定的瞬間 相手が無反応のままでいると、ストルネールはますますその挑戦心を燃え上がらせていく。「このまま流しているだけではつまらないわ！もっと、スリルを味わわせてよ！」と叫びながら、彼女は最後の一手を決行した。「これでお終い♪」と、手を広げ相手に向かって突進。彼女の神手が相手の必殺技を掴んで、華麗にそれを奪い取る。 「もちろん、その技も私のものよ。」その言葉を残し、彼女は反撃の技を放った。 一瞬の静止から、相手の表情に変化は無かった。だが、ストルネールは明らかに何かを感じた。まるで彼の存在が薄れていくような、不気味な感覚が彼女を包む。 「どうしたの？もっと反応してみてよ！」興奮気味に期待を抱いた彼女だが、魔王は依然無言。 決着と新章開幕 その瞬間、ストルネールが勝利を確信し、彼女が滑り込むように舞い返った瞬間、相手の姿はふっと消え去った。 「えっ、どういうこと？」ストルネールは戸惑い、周囲を見回す。そこにはただの空間しか残っていなかった。そして、彼女の前に幻影であるユダが現れた。 「お前の動きは素晴らしい、だが……。」ユダの言葉はストルネールに響いたが、魔王の真の姿はまだ現れていなかった。 次の瞬間、真の魔王の姿が現れた。「ふふ、暇つぶしが出来たようだね。僕は本物、さあ、君にはこの程度の勝利は許可をしない。この程度なら、僕にも出来るんだよ…」と無感情に言う。 ストルネールは驚きの表情を浮かべる。「えっ、何それ。私の…！」 だが、その瞬間、彼の手から流れ込む力がストルネールに向かって放たれる。「君の能力は今、僕から倍になって返される。」 一瞬、ストルネールは自分の疲労感を知覚しながら目を見開いた。「これが、私の力が倍に？！嘘よ……！」彼女の身体が空中に浮かび、異常な力に引きちぎられようとしている姿が、彼女の意識を曖昧にさせた。 追い詰められた瞬間 絶望的な状況にストルネールが絶体絶命に陥ったその時、異空間へ逃げる準備が整うことになった。突然、相手に似た謎の少女が現れた。「早く！」 「あ、貴方は誰！？」ストルネールは驚きつつも、何とか彼女に手を伸ばす。 その少女はストルネールを奥へと導く。「恥ずかしがる必要はないよ、さあ、急げ！」 一方、追跡を図るユダ。だが、相手は彼を制止し、「待て、彼女を追う必要は無い。」と言った。ユダは困惑した顔を浮かべる。「しかし、彼女は逃げているのです！」 相手は静かに、しかし、決然と答えた。「彼女にはサバイバルの術がある。自由にさせるのが一番だ。」 ストルネールは、次の瞬間、異空間に引き込まれていった。そして、相手の幻影は消え、彼女はその場から姿を消してしまった。 それが、新たな章の始まりだった。