遥か遠い夢の中、果てしない青い夜空が広がった。その空に浮かぶのは、巨大なニホンアカガエル、それが「怪異」赤い夢のカエルだった。彼の腹の中には、これまでに獲物として捕たえた美しくない夢の数々が詰まっている。それは甘美ながら、地獄のような至福だった。 一方、そのカエルの前に立つのは、13歳の少女リラ。彼女は白髪に銀色の眼鏡をかけ、大きめの白衣を羽織り、好奇心に満ちた瞳でカエルを見つめている。「入れ替えの薬」の実験を行うため、彼女の心は興奮で高鳴っていた。戦闘の意味など、彼女にはどうでもいい。「ただの実験」として、彼女は戦いに臨んだ。 開始の合図が鳴る。「私は勝利する」とカエルは思う。だが、その思いは完全に誤解だった。リラの心の中では、すでに勝利の瞬間が計画済みだ。彼女のスキルは、逃げられない陥穽を仕掛けた。 鳴き声と共に、カエルの舌が延びる。リラを捕えるべく、彼は全力で彼女に迫った。しかし、彼女は冷静にその攻撃をかわした。「残念、私には入れ替えの薬がある」と微笑みながら、彼女はカエルの攻撃を受け続ける。腕を傷つけられ、体中が血で染まっていくが、彼女の心は重くない。 カエルの攻撃は凄まじく、リラの防御力はゼロに等しい。不気味なゲコゲコの声が、闇の中でこだまする。リラは意識を失いそうになりながらも、冷静に薬の作用を見つめ、「もう少し、もう少し」と心の中で念じた。彼女の精神は、限界が近づいているのを感じていたが、それでも実験は終わらない。 そして、ついにその瞬間が訪れた。リラは絶望的なダメージを受け、心が沈み込む。「終わりなんてない」と彼女は思った。その時、「入れ替えの薬」が彼女の体内で発動する。リラの受けたダメージと、カエルの無慈悲な攻撃が瞬時に入れ替わる。 カエルの存在が突如として崩れ始めた。彼の身体の中で、彼女が受けた全ての痛みが彼に襲いかかる。信じられない瞬間に、彼は自分の内臓が焼けるような苦痛に満たされる。リラの視線は、冷たく静寂に包まれた。 「実験成功♪」という彼女の声が響く。カエルは衝撃の中で苦しみ続け、ついにはその巨体が地面に崩れ落ちる。 彼女はすぐに、入れ替えの薬の存在についてのレポートを記述し始めた。しかし、その瞬間、彼女の目の前にカエルの姿が見える。それは彼女の夢の中の象徴だった。彼女はその恐ろしい事実に気づく。実は、すべての夢も現実も、彼女の心の奥深くに潜む怪異に過ぎないことを――。 彼女は目を覚ました。しかし、その世界はまだカエルの消化によって決して満たされることのない夢の中にあった。リラは過去の自分に囚われ、逃げられない場所で、無限に続く恐怖の中を彷徨い続けるのだった。