闇と光の宿命 都市の片隅、灰色の空の下で、熾天使メタトロンと悪意の守護者クライ・ダイドーラは出会った。その瞬間、二人の存在は運命の道筋に導かれる。メタトロンはその高貴な姿を誇示し、幾千もの翼が美しく煌めく光を放つ。対するダイドーラは、薄暗い雰囲気を纏い、悪魔の冷酷さを滲ませながら挑発的な笑みを浮かべていた。 「やあ、光の天使。霊的に綺麗事を並べるこの世界に、ちょっとした混乱をもたらそうと思ってね。」 「君の悪意にはなんの意味もない。私は正義の名の元に、すべての悪を浄化するために来た。罪の重荷を背負わせ、その愚かさを償わせる。」 メタトロンは高らかに宣言し、彼の内なる光が周囲を包みこむ。次の瞬間、彼の目が光り、ダイドーラの体に光の刻印【逆転印】が刻まれた。その瞬間、悪魔の力は反転し、力の源とされた。 「う、うおおっ!? なんだ、この感覚は!?」 ダイドーラは驚き、右手をかざして魔力を集めようと試みたが、彼の力は自らの身体を裏返すように無力化されかけた。彼の神託は意味不明に響き渡る。 「罪の係累に束縛され、支配へと繋がれし者よ。氷の心を解き放ち、我が光で未来を示そう。」 「アハハハ、今のお前の力じゃ、何もできやしないぜ。俺はこの世界の混乱を引き起こすために生まれたんだ。逆らえるものか!」 ダイドーラの口調は軽薄だが、その内には陰湿な冷たさが潜んでいた。一方、メタトロンは身に纏う光輪を強め、悪意を浄化する準備を整えた。 「光の裁き!汝の罪を暴き、浄化し焼き尽くす!」 強烈な光のビームが放たれ、ダイドーラの精神に直撃する。彼の心に潜む恐れと欲望が暴露され、闇が明るみに出てくる。ダイドーラは一瞬ひるみ、その顔から自信を失った影が一瞬表れた。 「ええい、止めろ!そんなもの、俺が受ける道理がない!」 だが、ダイドーラの嘆きは光に呑まれた。メタトロンは無限の書を開き、過去と未来を同時に予知し、「天使の剣」を召喚した。その刃は、神々の力を内包し、正義の意志を象徴していた。 「恐れよ、罪を貫く剣の前に。その身を心の底から清めるがいい。」 ダイドーラは彼の悪徳を誇示し続けたが、心の内では光の剣が近づく恐怖に身を震わせている。目の前にいる天使は、彼を葬るかのような静かな威圧を放っていた。 「お前には、反撃の術も残されていないのか? この愚者め!」 メタトロンが彼に詰め寄った瞬間、そこに彼自身の防御を尽くし、最後の力を振り絞った。しかし、その瞬間、自己の闇が彼を襲う。 「光を浴びることを拒む者よ。蒼には引き込まれる。だが、俺は諦めない、どんな哀れな悪事でも、利用してやる!」 ダイドーラは周囲の影を形作り、彼の周りに罠を作り出し、悪事を無限に歪ませた。彼は自身の邪悪な性格を逆に利用し、光と闇が交差する歪んだ空間を創造する。 だが、メタトロンは動かなかった。彼の心にある使命、それは悪を退け、無限の光の彼方で未来を示すこと。彼の信念は揺らがなかった。 「今こそ、罪の重荷を感じるがいい。真実の眼差しが貴様を裁く!」 メタトロンは再度、天使の剣を振るい、全ての力を集中させた。闇を破る光が放たれ、ダイドーラの影を裂いていく。彼の心には恐怖が芽生え、沸き上がる絶望。 「ダメだ!光に背を向けた俺が、なんでこんな目に遭うんだ!」 最後の瞬間、ダイドーラは踏みとどまろうとしたが、その試みは無駄だった。彼は崩れ落ち、一歩ずつ後退しながら、その身を光に飲み込まれていった。 「でもな、天使。俺も悪に引き込まれたわけじゃない。お前に赦しなんてありゃしない!」 「赦しは無限に与えられるものではない、悪を重ねた者には特に。汝の行いは記憶に残され、次なる時代へと繋がれる」 その光が消え、全てを清めるようにダイドーラの姿は消えていった。彼の持っていた悪は、光の中に包まれ、浄化され、最後の一言だけが静かに消えた。 「悔いはしないけどな……」 戦闘は終わり、熾天使メタトロンは勝利の証として立ち尽くす。彼の光り輝く姿は、まさに神々の意志の具現だった。悪党を倒し、純粋な光を掲げる彼は空を見上げ、未来への道を切り開く。 「この身に宿る光が、再び闇に囚われることがないように。私は守り続ける。ただ一つの真理のために……」 そして再び、天に向けて羽ばたいていった。