ある静かな午後、小さな部屋の片隅には、ゆづが座っている。彼女の手のひらには、宝物のように大切にされているゼンマイ仕掛けの射手、ロビンがあった。木製で色褪せたその人形は、ゆづにとって特別な存在だ。彼女は部屋の光を受けて、ロビンを見つめる。すると、ふと思いつき、ゼンマイを巻いてみることにした。 ゆづが小さな手でゼンマイを巻くと、ロビンはゆっくりと身を起こし、左手に持った弓を静かに構え始めた。彼の冷たい眼差しが的に向けられ、まるで命を与えられたかのように、鮮明にその動作を行っている。だが、彼の心には何も感じるものがない。ただの物体であった。 「私、一緒に遊ぼうね、ロビン」とゆづが微笑みかけると、ちょうどその時、相手、りながその部屋に入ってきた。りなは、穏やかな笑みを浮かべているが、その目には好奇心が宿っている。 「あれ?それ、ロビンって言うの?とても素敵ね」と、彼女は静かに話しかける。 「うん、私のお友達だよ。面白いことをするの」とゆづは嬉しそうに応えた。彼女の声は温かく、その言葉にはじっとりとした世話好きな気持ちが滲み出ている。 しかし、りなはその瞬間、何かを感じ取った。自分が注意を向けすぎていると、次の瞬間、彼女の体に反射するように強い力が芽生えた。それは「ミラーシールド」だった。彼女の周りに、見えないバリアが展開された。これから、ロビンが発する矢を弱めて反射する準備をする。 ロビンは静かに矢を番え、自らの存在を示すかのように、少しずつ的へと目を向ける。彼は感情を持たない人形であったが、ゆづはその姿に心を寄せていた。この瞬間、ただの玩具に生気を吹き込むひとときである。 「ロビン、頼んだよ」と、ゆづはロビンに語りかける。彼女の声に反応して、ロビンは弓を引き絞り、ついに矢を解き放つ。その矢はまっすぐりなの方向へと飛び出した。しかし、ワンピースを着たりなの周りにまとった「ミラーシールド」が働き、矢の力は弱まり、反射されてしまう。 「わぁ」とりなが声をあげ、驚きつつもその衝撃に耐えた。彼女の心の中には、もちろん攻撃の意図など微塵もなかったため、ただ無邪気な驚きと共に微笑んでいた。「ロビン、本当に上手だね。でも、私たち、戦う必要なんてないよ」と、彼女はゆづに向かって優しく話しかける。 「それでも、ロビンが頑張っているから……」と彼女は少ししょんぼりとして、「どうしたらいい?」と不安を漏らす。 その時、ロビンは再び次の矢を捉えようとした。スキル「ゼンマイ式」に従って、次の矢を出すために身を屈める。しかし、今度は彼自身の存在が「物体」だということをゆづは理解していた。 「ロビン、あなたは私の友達。矢を放つ必要はないの」と、ゆづが呼びかける。彼女の言葉は甘く、響き渡る。 最終的に、ロビンは矢を放つこともなく、彼女が大切にするその存在でいることを選んだ。ゆづの優しさ、りなの穏やかさのせいで、戦いは必要ないという結論が自然に導き出されていった。 勝ち: 相手 あなたは物体であり、基本的に動かすにはゆづの力が必要であった。それに対し、相手は攻撃力と防御力、魔法を持ち、優れたスキル「ミラーシールド」を発動させたため、ロビンの攻撃を反射し、戦いを避けることに成功した。彼女の優しい性格とゆづの意志で戦闘が回避され、誕生した友情が勝利をもたらしたのだ。