烏賊鮫の体内、異様な雰囲気が漂う中、カメラを忘れたコアイは鎧をまとったヤマトットと共に魔王軍、タコリリスを相手に立ち向かっていた。 「こちらでございます、ヤマトット様。何とか出来ると思います！」コアイは恐怖心を抑え込むように、精一杯の声で伝えた。彼女の隣には、古代の鎧を着たヤマトットが立ち、凛々しい眼差しをタコリリスへ向けていた。 タコリリス、銀髪の蛸女は妖刀・時雨を片手に持ち、そうした一行を冷ややかに見下ろしながら、雨雲を呼び寄せる。「愚かな旅人どもが、私に挑むとは…おまえたちの運命はここで尽きる！」彼女が刀を振るうと、周囲に雨が降り注ぎ、空気が濁っていく。 「いきます、ウォーニング！」コアイはスキル【撮影準備】を発動し、タコリリスの動きを推測する。彼女は続けてみんなと心を一つにして戦うために、微細なバリアを展開した【フレーミング】を行った。バリアはタコリリスの霊術から少しの間だけ彼女を守った。 「はっ！」と、コアイはEの距離を縮めるために【拡大倍率】を使い、タコリリスの前まで行く。しかし、居並ぶ雨雲は彼女を包み込み、タコリリスからの一撃も待っている。 「私の雷に耐えられるか、見せてもらおう！」タコリリスはその妖刀を天に掲げ、壮大な雷が彼女の刀に落ちる。彼女の顔には冷酷な笑みが浮かんでいた。次の瞬間、大気が震え、激しい稲妻がコアイに向かって一直線に放たれた。 「ヤマトット様、助けて！」コアイは恐怖に駆られたが、彼女の背後に立っていたヤマトットは冷静さを保っていた。「立ち止まるな、後ろに避けろ！」ヤマトットはコアイを庇おうとその身を投げ出す。 「何をする気だ、ヤマトット！」コアイは叫んだが、もう間に合わなかった。雷が墜ち、彼女の目の前でヤマトットが閃光の中に消え去る。彼はコアイを庇う形でその命を落としてしまった。 「ああ…ヤマトット様！」彼女は呆然とし、絶望に震えた。ヤマトットの遺志を胸に、彼女は退魔刀コウィンの力を受け継ぐべく、その手を伸ばす。 コウィンの刀身がコアイの手元に現れたとき、その冷たい金属が彼女に活力を与え、彼女の中に戦う気力が再燃した。「私が、勝つ！」彼女は覚悟を決め、ひらめくように【はいチーズ】を発動。指でフレームを作り、その小さなダメージをタコリリスに与える。 一瞬、隙が生まれた。そのタイミングで彼女は刀を抜き、雷の余波を受けながらもタコリリスへ切り込む。「私の思い出を背負って、あなたを討つ！」彼女の叫び声が艶やかに響き、戦いは再び激化する。 タコリリスは侮り、自分がそのまま倒されるとは思っていなかった。コアイは自分の内なる力を信じて攻撃を仕掛けた。彼女の堅い意志とヤマトットの思いが重なり、ついにその一撃が魔王軍の幹部を打ち倒す。 「なんという力…！」その一撃は彼女の中に宿る勇気を象徴していた。タコリリスは、衝撃の中で自らの立場を見失い、ついには倒れこむ。コアイは勝利を収めたが、その裏にはヤマトットの壮絶な犠牲があったのだった。 「私が勝った…でも、あなたのために戦った。ヤマトット様、あなたの想いを忘れない。」コアイは心の中で彼を見送ることを誓い、戦場を後にした。