カメラを忘れたコアイは、異世界に召喚された勇者として魔王に立ち向かう決意を固めていた。薄暗い洞窟の中、彼女は無感情で寡黙な魔王と向かい合う。しかし、相手は一切の抵抗をせず、ただ静かにそこに佇んでいた。 「あなたが魔王ですか…？倒したいです。」コアイはゆっくりと前進し、指フレームを用いて相手の弱点を探るように構えた。 相手の目の前に近づくと、コアイはスキル「はいチーズ」を発動させた。指で捉えた相手の姿に、小さなダメージが入った。しかし、相手は一切表情を変えず、ただそのまま立ち尽くしていた。 「様子見なのですか…？では、次はバリアを展開します。」コアイは「フレーミング」を使い、低強度のバリアを展開したが、相手はそれを通り抜けるように無反応でいた。 この不気味な状況に、コアイは焦りを感じながら「思い出の写真」を考える。周囲の風景を眺めつつわずかに体力を回復し、再び戦闘態勢に戻る。 「どうしたら勝てるのか…」 彼女は考えながら、スキル「拡大倍率」で相手との距離をさらに近づけた。すると、突然、相手の姿に異変が起こった。 「何かおかしい…！」 コアイの心に恐れが広がる。相手の姿が薄れていき、まるで幻影のように消えていった。彼女の目の前にあったのは、ただの虚無だった。 「これが…魔王の真の姿なのですか？」コアイの心中に恐れが広がると同時に、幻影は完全に消えた。 その後、一瞬の静寂の後、相手の本物が姿を現した。彼は冷静に周囲を見渡すと、微かに口を開いた。 「この程度なら、僕にも出来るんだよ…」 相手は一瞬の内に、コアイの能力を完全に模倣して見せた。コアイはその力に圧倒され、言葉を失った。 「この…私の力を…」コアイは驚愕の表情を浮かべる。 その瞬間、本物の相手は彼女の能力に倍の威力を与え、コアイは絶体絶命の状態に陥った。周囲の空気が震え、彼女はその力の前にひざまずく。 「これが…魔王の力…。」コアイは無力さを体感しながら、彼女の運命を思い悩んでいた。 しかし、その時、突然現れたのは、相手に似た謎の少女だった。彼女はコアイの手を取り、異空間へと逃げ込む。 「待て、逃がすな！」ユダが怒声を上げるが、相手は淡々とその手を振って制止した。 「それは僕の仕事だ。」相手は少し微笑み、消えるように彼女と共に異空間へ消えていった。 この運命の行く先は、誰にも分からない。しかし、コアイは新たな希望を持って、この少女と共に未来を探る旅に出るのだった。