【序章】 遥か遠い天界の一角、風雅の導き手シノヨは、穏やかな日常を送っていた。彼女の周りには、友人たちの笑い声が響き、色とりどりの心優しい彼女の日々を満たしていた。しかし、彼女は戦いを好む一面も持ち合わせており、心の奥では新たな冒険を求めていた。 【異世界召喚】 ある日、友人のチェリと一緒に公園を散歩していると、突然空が暗くなり、まばゆい光が降り注いだ。次の瞬間、シノヨは異世界に呼び出されてしまった。目の前に現れたのは、白髪白髭の老人、耄碌してボケた国王陛下だった。 「飯はまだかのう…」 彼の呟きに、シノヨは面食らった。彼こそ、王様で、魔王討伐の大役を託される存在だったはずなのに、まるで老犬のようにボンヤリとしている。 【招待状】 王は身の回りの家臣たちに「おにぎりが食べたい」と言ったり、ノラ猫の姿を見て「これも我が臣下か」と言ったりと、全くもって命令とは程遠い様子だった。しかし、家臣たちはシノヨに向かって一生懸命に口を挟んだ。 「国王陛下、実はこの少女、素晴らしい力を持っているのです!魔王討伐を…」 シノヨは、王のボケた言動に戸惑いながらも、彼に任務を与えるための催促を受けることに。 【いざ城へ】 「そうだ、何か頼みごとがあるんじゃったかのう…?なんじゃったかのう…?うーむ、思い出せん。」 家臣たちは焦りながら、何度か国王に「魔王を倒してほしい」と促す。そのたびに王は、「よし、やるかのう。まずはお茶を淹れなければ」と言ってまたどこかへ行こうとする。 シノヨは、もはや笑ってしまいたい気持ちでいっぱいだった。「一体、私はこの人を助けるために異世界に召喚されたの?」 【王です】 王は、困惑したシノヨの様子に気付いたのか、「お前は若い冒険者じゃったな。わしが何か助けるようなことがあるかのう?」と、まるで昔の栄光を妄想しているようだった。 「秘伝の魔法を教えてほしいのですが…」「飯はまだか?」という会話が交互に繰り返されることに。 【こいつ、本当に王なの?】 シノヨは心の中で思った。「このおじいさんが、かつては魔王すら倒した勇者だったなんて信じられない…でも、彼の下で何か起こるに違いない。」 すると、窓の外からふと風が吹き、さまざまな式神たちが彼女の心に響く。「召喚術に尽力しよう」と決心した。 【あなたの冒険の始まり】 ある晩、シノヨは家臣たちから依頼の内容を詳しく聞いた。「魔王を討伐するためには、まず周囲を探り、力を集める必要があるかと…」と家臣が言った。 そう思った彼女は、「私はこの国のために戦うわ、たとえこの王が時々忘れっぽくても」と誓った。そうして、シノヨは内心の決意を込め、式神たちを呼び寄せ、王国の魔王討伐のために最初の一歩を踏み出すのだった。 「さて、召喚、式神たちよ!」と彼女は叫ぶ。彼女の冒険は、ミスマッチな王と共に、これから始まるのだ。