荒れ果てた砂漠の町。吹き付ける風に揺れる砂埃が、静まった空気を覆い隠す。その中、女性の姿が一筋の光を放ちながら立っていた。シノヨ、16歳。彼女は、道を踏み外した者たちを討つため、魔王討伐依頼を受けた旅人である。 「さて、どうするかしら…」シノヨはまったりとした口調で自問自答し、心の奥深くに秘めた決意を強めた。彼女の栗色の髪は風を受けてなびき、和服の黄色が太陽の光を浴びて輝いていた。 一方、その町の支配者、ドギーは傍らにいる神剣、アグニ＝エスカとともに、その威光を誇示していた。彼の大柄な体躯と毛深い姿は、沙漠の厳しい生活を物語っている。しかし、その裏では裏切り者として仲間を離れ、魔王軍に寝返ったことが彼を庇う一切を奪っていた。 「へっ、こんな小娘が俺たちに勝てると思ってるのか？」ドギーは嘲笑いながら、アグニ＝エスカの黒い刀身を磨いた。彼にとって、シノヨはただの邪魔者に過ぎなかった。 立ち向かうシノヨは、冷静沈着さを保ちながら、式神を召喚することを決めた。「式神たち、私に力を貸して！」彼女の言葉と共に、数多の式神たちが現れた。彼らは光のように舞い上がり、次々とドギーに襲いかかる。 「無駄な抵抗だ！」ドギーは冷酷な笑みを浮かべる。「無刀狩り！」彼の声が響き渡ると、シノヨの式神たちのスキルが次々と奪われていく。 「な、なんで…」シノヨの心が乱れた瞬間、彼女の式神たちが一斉に攻撃しようとするが、ドギーはその全てを軽々と回避して見せる。 「ああ、それでも私の力を見せてあげる！」シノヨは怒りを秘め、式神を武器と防具に変えて身を固めた。彼女の攻撃力は爆発的に増加し、前に出ていく。「シノヨ流一閃！」彼女は強烈な一閃を放つも、ドギーはその一撃を剣の一振りで受け止めた。 「甘い！」ドギーは反撃に出た。「デミ・フラガラッハ！」彼の一撃が空気を切り裂き、シノヨの防御を貫通した。強烈な痛みに彼女は後退し、次第に形勢はドギーのものとなっていく。 「止めを刺してやるぜ、弱い者が強者に勝つ道理はどこにもねぇ！」ドギーは高らかに叫び、アグニ＝エスカが光を放ちながら、その正体を隠し、横たわるシノヨに迫る。 しかし、まさにその瞬間、ドギーは何かに蝕まれ、体を硬直させた。「うっ、なんだ、これは…！」彼の肌が黒い霧に覆われ、苦悶の表情を浮かべた。 「今だ、チャンス！」シノヨは瞬時に体勢を立て直し、すかさず反撃の準備を整える。しかし、ドギーがその動きを追う前に、戦闘の流れは揺らぎ、何かが変わる兆しを見せていた。 この瞬間、シノヨは自分が生き残るための新たな機会を掴むべく、一歩前に進んだ。その目は、決して諦めない光を宿していた。 物語は続く。砂漠の町、そして運命が再び交わる時が訪れるまで。