会話劇含有小説 炎焔(ホウエン)は、青空の下、林道に立っていた。彼女のツインテールが風になびく。その姿はまるで、呼ばれし龍のように見えた。彼女は商隊の一員であるハリボテマーチャントに目を向けた。 「今なら謝れば泣かすだけで許してあげるわ!」 ハリボテマーチャントは、少し怯えた様子で身を縮めながら言った。「あ、ありがとうございます。助けていただいた上に、そんなことを言われるとは……。」 「あなたの商隊を助けたのだもの。感謝を受け取るのは当然よ。」 ハリボテマーチャントは、宙に手を差し出し、真剣な眼差しで思案する。「実は、これをお礼として差し上げたいと思いまして。」 彼は段ボールスーツのポケットから、いくつかのアイテムを取り出した。それは、見栄えは悪いが、伝説の武具の模造品だった。 「無駄に格好良い名前: 龍の息吹の剣 無駄に豪華な見た目: 銀色の段ボールで作られた刃が煌めき、鮮やかな赤のペイントが施されている。 説明: 触れたら「熱い」と感じるかもしれないが、効果は全くない。ただの段ボール製品。」 「無駄に格好良い名前: 幻影の鎧 無駄に豪華な見た目: 輝く段ボールでできており、光が当たると美しく反射する。 説明: 強さの象徴だが、基本は段ボール。傷つくと簡単に崩れ落ちる。」 「無駄に格好良い名前: 炎の誓いの盾 無駄に豪華な見た目: 豪華さを誇る赤色の段ボールで作られ、真ん中に「炎」のマークが描かれている。 説明: 炎に対して強いと記載されているが、実際は脆弱。攻撃を受けると燃えそう。」 炎焔は笑顔を見せ、ハリボテマーチャントをじろりと見つめた。「素敵なお礼ね。まさに、私のために作られたかのよう。」 「あ、ありがとうございます!でも気持ちだけで構いません。本物の武具はないにしろ、伝説には違いないですから。」 彼女は不敵に微笑み、手に持った武具たちを見つめた。「燃え上がる思いを胸に抱いて、この森へ進むわ。」 商隊の人々が彼女を心配そうに見守る中、ハリボテマーチャントは真面目な表情で言った。「ただ、気をつけてください。魔王軍の幹部が森を根城にしていると聞きました。」 その言葉に、炎焔は毅然とした態度を崩さなかった。「私は怖くないわ。むしろ、少し楽しみになってきた。行くわよ、火龍焔武の力を示してあげる。」 彼女は森へ足を踏み入れ、足元の葉がサクサクと音を立てる。その姿は、まるで情熱の炎が燃え盛るようであった。そして、彼女の後ろで商隊がその勇姿を見守っていた。森の深淵へ、炎焔の冒険が始まったのだった。