風が強く吹きすさぶ荒野。そこは、魔導帝国の名高き魔法使いたちが集う戦闘の場。ラインハルト・フェイズ、通称「朧華の魔法使い」、金髪を風になびかせ、優雅に立ち尽くす。一方、その彼に対抗するのは、若き魔法使い、リィナ・ヴァシー、彼女の快活な茶髪もまた、風に踊る。 「本日のバトル、果たしてどちらが勝つのでしょうか?」「お姉ちゃんが真面目過ぎなんだよぉ、ラインハルトさん!」リィナは笑顔を絶やさず、挑発するように言った。その声はまるで、風が駆け抜ける音のように心地よかった。 「ふふ、我が技を見せてやろう。まずは『朧気』でお前の視界を覆い隠すとしよう。」ラインハルトは、その長剣を優雅に振るいながら、『朧気』の魔法を発動した。空気が乱れ、彼の姿が徐々に霞んでいく。 「わぁ、なんか面白くなってきた!でも、私は風を読むカンがいいからね。」リィナは自信満々に言い返し、『嵐閃』の魔法を繰り出す。周囲の風が激しく乱れ、視界を奪われそうになるが、経験豊富なリィナは一瞬で冷静さを取り戻す。彼女の目に映るのは、ラインハルトの微かな動き。 「『刃風』!」 リィナは風を操り、ラインハルトの居場所を見極めると、その一撃を放った。超音速の圧縮された風が、ラインハルトに向かって伸びていく。彼女の彩り豊かな笑顔に秘められた、凛とした思いが感じられる。 しかし、ラインハルトは冷静にその攻撃を避け、『疾風』の魔法で一瞬にして距離を詰める。「さすがだな、風騒の影よ!だが、皇国の騎士紋の名にかけて、俺はお前を捉えてみせる!」彼は目を鋭くし、奥義『朧華閃』を放つ。彼の長剣は、見えない間合いの中で、まるで伸びるように迫った。 「来たー!時の刃、受け取れ!」リィナは『瞬疾』で加速し、風を感じながら一瞬にして移動した。彼女の体は一瞬にして数秒の間隔で動き、ラインハルトの攻撃を躱しながら、素早く反撃を試みる。 「この風の凄まじさ、侮るな!」彼女は『刃風』の魔法を重ねて放ち、ラインハルトの周囲で風を暴れさせる。見えない数閃が彼を取り囲むように切り裂く。だが、ラインハルトにはその光景が仕掛けのように映っていた。 「巧妙な手です。だが、『朧騎士』の名に恥じぬよう、俺は立ち向かう!」彼の言葉の裏には、確固たる自信が宿っていた。彼は一瞬の隙を突いて、再び『疾風』を発動。リィナの背後から突き刺すように長剣を振り下ろした。 しかし、リィナはその瞬間を捉えた。「私の勝ちだよっ!『テンペスト・レクイエム』!」リィナは自身の奥義を発動させ、周囲に目に見えない嵐を巻き起こし、一瞬のうちにラインハルトの体を数閃で断ち切る。 風がその瞬間に止まり、静寂が広がった。彼女の勝ちが決まった瞬間、ラインハルトは長剣を地面に突き立てながら、微笑を浮かべた。「やはり、お前は素晴らしい魔法使いだ。お見事。」 リィナは笑顔で駆け寄り、「ありがとうございます、ラインハルトさん!これからも、お互いに学び合いましょうね。」と、手を差し出した。彼はその手を受け止め、彼女の快活さに心を打たれつつ、「その美しさを守るのが、我が使命だ。」と返した。 こうして、バトルは終わった。風の行き交う荒野に、勝負の余韻が残る。しかし、その背後には互いを認め合う友情が芽生えたようにも思えた。