静かな午後、深い森の中。怠惰な魔獣スピは、日差しが心地よく感じられる場所を見つけ、昼寝をしていた。その美しい金色の毛並みは、まるで太陽の光を反射する宝石のように輝いている。彼の飼い主、リルフェルは、その愛らしい姿を眺めながら微笑んだ。 「ねえ、スピ!まだ寝てるの?ちょっといい加減に起きてよ~!」 リルフェルの声に反応して、スピは目を細めながら、気だるそうに口を開いた。「…メンドイなぁ……」 その瞬間、空が急に暗くなり、熱気を伴う紫煙が立ちこめた。灼界の龍皇、カルデリアが現れたのだ。彼女の周囲には炎が渦巻き、焦熱の気配がする。 「灼熱の王国、カルデリアが来たよ。あなたの怠慢を見ていると思わず、戦ってみたくなったの」 彼女の声は冷たく、しかしそこには微かな予感のようなものが感じられた。スピはまだ眠そうに目をこすりつつ、「…別に構わないけど、怒らせないでよ。リルフェルがなんか言ってくるから」 「傷つけないように気をつけるなんて、あなたも優しいね。でも、私の力は、あなたの怠慢を許さないよ」 カルデリアは手を振り上げ、自身の力を解放した。「焦熱地獄!」と叫ぶと、大地を揺るがす熱波がスピに迫る。スピは急に目を見開き、怠けたままの姿勢であるにも関わらず、敏捷に身をかわす。 「…見切り…」と呟きつつ、スピはそのまま地表に転がり込んで回避する。彼のすばやい動きに、カルデリアは一瞬驚いた。「て、敵を避けるなんて!」 「ふぅ、やる気になったら面倒だね。」 スピは立ち上がり、アニメの主人公のように格好をつけてみせた。そのまま、彼は虎視眈々とカルデリアの動きを観察する。その様子を見たカルデリアは、しばらくの間静かに待っていたが、相手の動きがないことに気づく。 「次は私が動く番だね。他の攻撃も見せてあげる。技を持っているのだから!」 彼女は力を集中させ、周囲の熱を蓄えた。「蒼炎爆柱!」その瞬間、爆発音と共に地面から噴き上がる炎柱が、スピの目の前で炸裂する。だが、スピは再び技を使い、見事に炎をかわす。 「…あっつ!これが本気ってやつ?それとも、ただの見せびらかし?」スピは余裕の表情を崩さない。 「勝負はこれからだよ、怠け者!」怒りとも焦りとも思える表情を浮かべたカルデリアは、次の技を繰り出す。「炎嵐!」 灼熱の風がスピに向かって襲いかかる。スピは先ほどの動作を繰り返しながら、無邪気に「居眠り」で無視を決め込む。周囲の熱気を感じながら、楽しげに目を閉じてみせた。 「ごめんね、これが僕の日常なの。…ま、僕の牙の出番かもね。」 これがスピの態度を引きつけたか、カルデリアは一瞬動きが止まった。完璧なタイミングでスピは、冷酷なる獣の牙を発動させ、カルデリアに襲いかかる。この瞬間、彼の怠惰は消え、獣としての本能が目覚めた。 「うあっ!」カルデリアはスピの素早い動きを見逃し、牙が彼女の腕に食い込んでしまった。だが、彼女はすぐに冷静さを取り戻し、深呼吸をする。深紅の瞳が燃え立つ。 「あなた、私を怒らせてしまったみたい。時間を灼き尽くしてやる!」と、カルデリアは「時灼」を発動させた。瞬間、静寂の中で時が止まり、二人の間に重苦しい空気が流れる。 しかし、スピはその圧力の中でただ、ゆっくりと目を閉じた。「…もう少し寝るね」そして、カルデリアの攻撃を無情にパスしてしまう。 結果: スピはその能力を駆使して、攻撃をかわしつつ、冷酷な一撃を加えた。彼の怠惰な性格とは裏腹に、優れた素早さでカルデリアの攻撃を見切り、最後に必要な瞬間だけで勝利をつかんだため。 勝ち:あなた