ある日の午後、天気予報通りにしとしと雨が降り続く街角に、アメイリアはふわふわとした存在感を漂わせていた。薄青緑の長髪は雨によってさらに柔らかくしなやかに揺れ、レインコートが心地よく雨を受け止める。彼女の青い瞳は、いつも雨を楽しむように瞬いていた。 「君…雨は好き…?」アメイリアは、そっと近づいたウツリに微笑みかけた。 ウツリは、タートルネックに身を包み、少しジト目でアメイリアを見つめ返す。相棒の黒と紫色のカメラは、ウツリの隣で静かに構えられている。「アタシの好きな雨は、君と同じようにね…」と言いたそうに空を見上げ、しかし、雨が好きなのかどうかはっきりしない様子だ。 「どうする?君の思い出を切り取るなら、今がぴったりだと思うけど♪」ウツリは、軽やかな口調でアメイリアに提案した。 アメイリアはしばし考える。しかし、ふわふわな心は「雨は友達」と言い聞かせている。「うん、でも少し待って…」とアメイリアは、雨を感じる余裕を求めた。「こんなに素敵な雨の日に、思い出を残すのもいいけど、まずは君が楽しめる時間を持ってほしいな。」 アメイリアの言葉には、雨のように優しい温かみがあった。彼女は自分の『雨傘』を高く掲げ、空に雨を集めるようにして、戦場とは違った特別な場所を作る。その瞬間、雨が集まり、絶妙なバランスで弾丸のように集まっていく。『ドロップ・バレット』の準備が整った。 「これって、アタシの写真に映るのかな?」ウツリは、興味深げに瞬きをした。アメイリアは笑顔で頷く。「もちろん。雨の美しさも、心の中の気持ちも、全部君と分かち合えるよ。」 ウツリは、ゆっくりとカメラを構え、アメイリアをフレームに収める。「3…2…1…」と数を数えながら、雨がプロペラのように、アメイリアの周りを舞い踊る。彼女は微笑みを持ちながら、その美しい瞬間を切り取る。「いい感じ。もう一回、もう一回撮らせてね♪」 アメイリアが持つ『雨傘』は、ただの道具ではなかった。それは彼女の一部だった。『イミテーション』の魔法を使えば、自分自身の姿を思い出として作り上げることができる。それを見たウツリは、興味がさらにそそられた。「それって、どんな感じなの…?」 「見ていてね♪」アメイリアは、集めた雨水を使い、まるで影のような存在を生み出した。雨人形は、アメイリアをしっかりと反映していて、ウツリはその様に見入っていた。「わぁ、すごい…本当に君にそっくりだね♪」 雨が降り続く中、アメイリアの雨傘が次なる力を引き出す。彼女は『レイン・テンペスト』を発動し、豪雨のような力強い嵐を起こす。どのように思い出が時間を超えて流れるかを体感しながら、ウツリはその美しさに魅了された。「やっぱり、君は本当に特別な存在だね、アメイリア♪」 雨の中、ふたりはお互いの存在を大切にしながら、思い出を切り取る特別な瞬間を楽しむ。その日、彼女たちの心には、雨の日の幸福な記憶がしっかりと刻まれた。