戦場は静寂に包まれていた。広々とした緑の原っぱが日差しを浴びて煌めいている。リルフェルはその中、黒髪を風になびかせながら、無邪気な笑顔を浮かべていた。 「ねえ、ユリエ。私、本気でやるからね。でも怪我したらごめんね?」リルフェルは跳ねるように言った。 「この先は通しませんよ!」ユリエは毅然とした態度を崩さない。金髪が陽の光を受け、まるで桜の花びらのように優美に揺れる。彼女は『楔鞭』をしっかりと握りしめ、リルフェルに対峙する。 「さあ、始めよう!」リルフェルの声が響く。瞬間、彼女の意識が研ぎ澄まされ、戦闘モードへと切り替わった。その目が鋭くなり、緊張感が漂う。 ユリエは『解花』の詠唱を行う。「桜花さま、私に力を!!」すると、彼女の『楔鞭』が蔓状に変質し、力強い力を宿す。美しい花の紋様が鞭に現れ、戦闘の気配が一変した。 「スタート!」と宣言し、リルフェルが素早く前進。相手の動きを見切り、彼女はすでにユリエの攻撃を読み取った。 ユリエは巻き付くように楔鞭を振り回し、薙払いの一撃を放つ。リルフェルは身をひねり、見切りを発揮。鞭をすり抜けるようにして避け、即座に反撃に移る。口数が少なくなった彼女は、闘気を纏った拳をユリエに向けて放つ。 「気脈断ち!」リルフェルはユリエの首筋に指を触れさせようとする。だがユリエは素早く身をかわし、その反撃を受け入れない。 さらにユリエは続けて「一閃!」と叫び、鞭をしなやかに振り解く。リルフェルはまたもやそれを見切り、右に動く。 「やるじゃない、ユリエ!」リルフェルが心地よい心の動きを感じながら言った。そして素早く狼変化に移行し、漆黒の毛並みを纏った戦闘形態へと変身。全能力が上昇し、彼女はさらに攻撃の姿勢を強める。 ユリエは驚きつつも、落ち着きを保った。「さあ、次は私の番!」彼女は『桜花連撃』の詠唱を始めた。霊樹の力を纏った連撃が、リルフェルに向けられる。 リルフェルも慎重に動き、『見切り』のスキルを最大限に活かしてユリエの一撃を回避し、反撃の機会を伺う。しかし、ユリエの速さと力強さは想像以上で、一瞬の隙が出てしまった。 「これで終わりよ!」ユリエはその瞬間を逃さず、連撃を繰り出す。鞭が彼女の意思に沿い、まるで風のようにリルフェルへと迫ってきた。 リルフェルは意識を集中し『気脈断ち』を再び試みる。しかし、今回はユリエの強烈な攻撃に阻まれ、彼女の首筋に触れることさえできなかった。 「しまった!」リルフェルは心の中で叫ぶ。ユリエの連撃が直撃し、リルフェルの体が吹き飛ばされる。彼女の黒い毛並みが粉々に舞い散り、一瞬のうちに戦場が静まり返った。 ユリエは息を整え満足げに笑う。「勝ったわね、リルフェル。あなたは本当に強い。」 リルフェルは地面に倒れ込みながら、微笑んで言った。「うん、楽しかったよ。またやろうね。」彼女の目には、戦いの興奮と楽しさが宿っている。 勝ち:相手 ユリエは『解花』を用いて全能力を向上させ、さらに『桜花連撃』でリルフェルを圧倒することに成功した。リルフェルは素早さで対応しようとしたが、ユリエの連撃を避けることができず、気脈断ちを仕掛けられる隙を与えたため敗北。