深淵の縁に立つ二人 薄暗い部屋の中、黒ローブを身にまとい、仮面をかぶった魔女、ネリアは一心不乱に魔法道具をいじくり回していた。彼女の目の前には、様々な素材が積まれたテーブルがある。彼女の手元を照らすのは、かすかなローソクの炎だけだ。周囲の空気に不気味な緊張感が漂っていた。 「僕の力によって、また一つ使い魔を生み出す時が来た☆」と、ネリアは声に出した。 その時、部屋の隅から静かに現れたのは、黒いローブを纏った女子高生、キサだ。彼女は少し不安そうな表情を浮かべ、ネリアに話しかける。「また使い魔を作るの……?本当に大丈夫なの?」 「大丈夫だよ、キサ!僕は深淵の力を借りるからね☆」と、ネリアは無邪気に笑みを浮かべた。その姿は、不気味さがある一方で、どこか純粋さも兼ね備えていた。 使い魔の創造 ネリアは、まず最初に用意したのは「鉄くず」と「古びた布」だ。彼女は心の中で魔法を唱え、素材を組み合わせ始めた。 { 使い魔の名前: 鉄布の守護者 素材: 鉄くず、古びた布 能力: 防御バリア生成 強さ: 5 } 「これで守ってくれる使い魔ができた☆」と、ネリアは満足気に言った。すると、キサの落ち着かない様子が気になった。「キサ、どうしたの?」 「う、うーん……僕も魔女だから、少しは不安になったりするよ。実際に創り上げるのは、やっぱり怖いな……」キサは少し顔を赤らめた。彼女の本当の姿、シャイであがり性な小白が少し顔を覗かせているかのようだった。 「でも、大丈夫だよ!僕がいるから☆」と、ネリアはキサの手を優しく掴んだ。「僕と一緒に深淵の力を感じよう!」 キサは返事をする代わりに、少しだけ頷いた。 深淵の次元 続いて、ネリアは「ガラクタ」の山から、「古いワイン瓶」と「朽ちた木」を選んだ。彼女の目が輝いている。「これは、きっと強力な使い魔になるよ!ダークネス☆フュージョンを使ってみるんだ☆」 キサは少し緊張しながらも、声をかけた。「でも、気を付けてね……もしも逆に何か悪いことが起きたら……」 「大丈夫、僕が全てを受け止めるから!行くよ!」ネリアは魔法を激しく唱え始めた。 { 使い魔の名前: 酒樽の悪魔 素材: 古いワイン瓶、朽ちた木 能力: 闇の火を操る 強さ: 8 } 「見て、キサ!これが僕の力だ☆」ネリアは歓声を上げた。彼女の目の前に現れた使い魔は、暗い炎を帯びており、強い威圧感を放っていた。キサの目は驚きと言うより、少し引いてしまった。 「す、すごいね……でも、ちょっと怖いかも……」キサは声を下げた。彼女の心の中で、小白が顔を覗かせていた。 「キサも一緒に魔女として楽しもうよ!」ネリアは笑顔を見せたが、その表情は少しふわふわとしていて、実際にはどこか現実を超越した世界を見ているようだった。 使い魔への思い キサは少し安心したように見えた。「うん、そうだね。私も魔女なんだから……やってみる。」 「さあ次は、もっと強力な使い魔を作るよ!一緒に来て!」と、ネリアは次の素材を探し始めた。 彼女は「黒い羽」と「古代の骨」を選び出した。キサはその素材を見て、自分の心の中に不安な感情が湧き上がってきた。「それ、本当に大丈夫なの?私、ちょっと不安……。」 「心配しないで!僕が作る使い魔はすごく強いから、何でも守ってくれる☆」と、ネリアは華やかに答えたが、次第に彼女の内側に潜む魔女としての力が浮かび上がるようだった。 { 使い魔の名前: 黒羽の死神 素材: 黒い羽、古代の骨 能力: 精霊を召喚する 強さ: 10 } 「これで、夜の世界を征服する準備が整った☆」ネリアは自信満々に言った。しかし、その言葉には少しの不安も隠されていた。 キサは心の中で「私も、どこかでこの世界の闇を越えたい……」という渇望を感じていた。しかし、自分が何を願っているのか正確にはわからなかった。ただ、恐ろしさの中にある何かを見たくてたまらなかった。 友人との絆 夜が更けていくにつれ、二人の間には異なる温度差が生まれていた。ネリアはまるで深淵の魔女そのもの。キサはその冷たい空間で自分の場所を見つけようともがいていた。 「ねえ、キサ。君はこの魔女の世界にもっと触れてみたいとは思わない?」ネリアの問いかけに、キサは少し戸惑っていた。彼女の脳裏には小白がちらちらと顔を見せている。 「うーん……分からない!」と、思わず声を上げるキサ。「私は普通の女の子だから、本当にできるのかな……」 「心配しないで!すごく楽しいよ」と、ネリアはニコニコと笑った。 やがて、その夜の闇の中で、二人は深淵に居るような感覚を味わった。彼女たちの世界は繋がり、ちょっと不気味でありながらも希望の光を見出す可能性もあるのかもしれない。しかし、それはまだ彼女たちには気が付かない秘密であった。 彼女たちは魔女として、そして友人として新たな冒険への一歩を踏み出すのだった。