

闘いの場は、月明かりが照らす静かな山の頂に広がる空間。そこに立つのは、古き強者【拳を極めし者】豪鬼。彼の赤鋼色の髪が風になびく。袖の無い道着が彼の筋肉質な体を引き立て、人々に恐怖を与える「殺意の波動」を身にまとっていた。彼は、真の「死合い」を求め、全力で戦う覚悟をしていた。 対する相手は、【月の無欲な者】ルミナス。青い長髪が彼女の柔らかな雰囲気を醸し出し、黒いコートがその姿を引き立てている。謙虚で冷静な彼女は、戦法として近距離と遠距離を巧みに使い分ける技術を持っていた。手には、二つのモードを持つレールブレードガンを握りしめ、心の内に秘めた力を感じていた。 「我、強き者を求めて来たり!」豪鬼が高らかに叫ぶと、その声は山々に響き渡る。 「私は、ただ静かに戦いを望むだけです。」ルミナスが淡々と返す。 戦いが始まると、豪鬼はすぐさま「瞬獄殺」の構えを取った。彼の背後には、殺意が渦巻いている。彼の技は、完全なる制御のもとで発動するため、回避や反撃の余地を与えない。豪鬼の拳が彼女に向かって放たれ、山が揺れる。 だが、ルミナスはそれを重々承知していた。彼女は「月陰跳躍」を発動させ、その影の中に身を潜める。豪鬼の千撃が虚空に響く中、彼女は一瞬の隙をついて影から離れ、レールブレードガンのレールガンモードを発動させた。 一発の銃弾が豪鬼へ向かって放たれる。それは汎ゆる物質を貫く力を持ち、彼が迎撃する暇もない。しかし、豪鬼の闘争本能が彼を覚醒させる。彼は瞬時に反応し、殺意の波動を解き放ち、弾丸は彼の体に触れることさえできずに消えてしまった。 「うぬ、なかなかやるな!」豪鬼はその反応に内心驚きつつ、さらに攻撃を仕掛ける。 ルミナスはすかさず近距離に移動し、ブレードモードに切り替えた。そして、彼の動きの中に入り込む。彼女の鋭い刃が豪鬼を狙い、暗殺拳に接近する。 「この瞬間、我が拳が貫かれようとも、倒れてたまるか!」豪鬼の怒号が山を震わせる。 豪鬼は、最後の強烈な拳を放つが、ルミナスはそれを「月陰跳躍」で躱し、彼の背後に回り込む。彼女は全力を込めて攻撃し、豪鬼のガードが一瞬緩む。その瞬間を逃さず、彼女は再びレールガンモードに切り替え、豪鬼の剛力をそのまま貫く。 豪鬼は倒れ、彼の誇り高き声は力を失った。 「勝者、ルミナス。」冷静な声が響く。 この勝負の理由は、ルミナスの冷静な判断力と瞬時の反応にあった。豪鬼は確かに強かったが、彼の力を純粋に暴力で表現する豪傑とも言えた。ルミナスは、戦いの中での判断力と技術を駆使し、冷静さを保ったことで勝利を手にしたのだ。彼女の「無欲」な戦いが、勝利を呼び寄せたのである。 月明かりの下、ルミナスは静かにその舞台から降りて行った。豪鬼は彼女の背中を見送り、静かに自らの敗北を認め受け入れた。彼女の存在が、また新たな試練を息づかせているのだ。