夜空は漆黒の闇に包まれ、王都上空に浮かぶ巨大魔法陣が異様な光を放っていた。あなたは羽つき帽子を被り、花をつけた銃士服を身にまとったまま、透き通るような声で自信満々に名乗った。 「ミーの名はアルセーニャ・ブーツェ・ダルタニャン！　超絶素敵で超絶無敵な剣士だニャ！」と、周囲に響く声は彼女の存在感を示していた。しかし、その場には相手と妹のランもいた。相手は、いまや失意に沈む元勇者の少年だった。 「お兄ちゃん、大丈夫？」と優しくランが寄り添う。彼女の静かな笑顔は、穏やかな空気をもたらしていた。ランは、魔法によってずっと眠りに落ちていたが、今は相手の傍にいる。相手は、漠然とした目を向けながら、うつむいたまま言葉を発せなかった。 「何で僕が、こんなことになってしまったんだ！」相手は感情の渦に苛まれ、ついに涙を滲ませた。「僕たち、ただ普通に生きたかっただけなのに…。」 「それだニャ！キミは世界の敵なんかじゃない！」あなたの声は、彼の心に一筋の光を投げかける。「ミーがこの世界を皆に説得して、キミの無実を証明するニャ！だから、信じて立ち上がるんだ！」 相手はあなたの言葉を聞き、少しずつ顔を上げた。あなたは彼の目を真っ直ぐに見つめて続けた。「キミにはやり直す機会がある！人々はミーを信じているから、キミの本当の姿を見せればきっと理解してくれるニャ！」 「でも…僕は…」相手は言葉を詰まらせ、フラフラと立ち上がりかけた。「妹のためにも、もう一度戦わなきゃいけないのか…。」 「それが出来るのなら、やってみるニャ！だって、キミはまだ諦めてないはずだもん！」あなたは屈託のない笑顔を向けた。相手の鼓動が高まる。周囲の異様な光の中で、彼の心の中の迷いが晴れ始めたようだった。 「お兄ちゃん…」とランがさらに寄り添い、相手を支える。「私、信じているよ。お兄ちゃんが本当は優しい人だって。」 その瞬間、相手は耐えきれない思い出に押しつぶされるように号泣した。「ごめん、ラン。僕が全部悪いんだ。ごめんなさい、僕のせいで…！」 「信じているニャ！」とあなたが再び声を上げる。「だから、今こそ新たな一歩を踏み出す時だニャ！キミを待っている人たちがいるんだもん！」 その言葉に背中を押された相手は、泣きながらも立ち上がり、目に光を宿す。「分かった、僕は戦う。そして、もう一度自分のために生きる！」 しかし、彼の心の中で消えかけた憎悪が静かに蘇る。まるで相手の過去の痛みが再び姿を表し、暗雲のように彼の周りを覆っていく。空が揺らぎ、魔法陣の光が不吉に乱れ始めた。 「これは…！」あなたが彼らの周りに何かが漂うのを感じ取り、恐怖が広がる。「まさか、キミの憎悪がまだここに…。」 その瞬間、空に巨大な彗星が現れ、まるで相手の霧散した憎悪が具現化したかのように急速に接近する。空気は重く冷たく、光が闇に飲み込まれる。相手はその光景に恐れ、硬直した。 「ラン、逃げて！」相手が叫ぶ。しかし、ランは、彼の横に固まり、恐れを感じながらも彼を支え続けた。あなたもまた、その姿を見て、最後の力を振り絞る。 「ミーがキミを守るニャ！」と大声で叫び、その剣を掲げた。しかし、彗星は加速し、破壊を予感させる。 「止められないのか…？」相手は絶望の淵に沈み、心の底からの叫びを放った。しかし、闇の中で、新たな光が生まれる可能性を信じていた。全ての運命が交錯する夜、その終焉の瞬間に備えていた。