物音一つない広大な空間、そこに立つ二人の戦士。空に突き刺さるような威圧感を漂わせるのは、黒龍[バーンヘリアー]。その巨大な体躯を包むように、光を吸収する暗い鱗が煌めく。一方、黒蛇の王、黒雲 朝目は黒い着物を纏い、冷静かつ威厳ある立ち姿で立っていた。 「荒々しいか、貴様。」 黒龍がその低い声を響かせると、朝目は静かに刀を抜刀する。瞬時に黒龍の目が鋭く輝き、戦闘の幕が切って落とされた。 黒雲は「十文字」の構えを取り、まるで風のように刃を振るった。瞬間、真空波が発生し、周囲の空気が震える。 だが、黒龍はその攻撃を無効化するかのように、鱗を羽ばたかせた。その鱗は物理攻撃を受け付けることなく、しなやかに朝目の動きを受け流す。 「面白い、もっと来い。」 黒龍は大地を揺るがすような咆哮をあげ、周囲を凍らせる魔力を放出した。その瞬間、強力な寒気が襲い、朝目の動きが鈍った。 しかし、朝目は一歩引いて冷静さを保ち、「龍斬」を決行する。彼の刀が光を帯び、真空波と共に黒龍へ飛び込む。衝撃波が地面を撫で、迫る威力に黒龍は一瞬身構える。 黒龍は、流れるように素早くその爪を向け、流れる風を切り裂くような攻撃を放つ。ただし、その攻撃は朝目の身体を捉えるには至らない。朝目の身のこなしは、まるで蛇のようにしなやかで、すり抜けるように黒龍の目の前をすり抜けた。 「愚か者。」 黒龍が鋭い視線を送り、睨みつけた瞬間、周囲の空間が止まる。朝目はその影響を受けて硬直するが、持ち前の冷静さで自らの心を強く保ち、自我を取り戻した。 「この程度か…。」 朝目は再び刀を抜き、我が強さを思い出させるように、「神殺し」の構えへ。刀が音もなく抜かれ、一瞬の隙をついて、黒龍のすぐ横に排出された空気を切り裂く。 しかし、黒龍はその動きを敏感に察知し、瞬時に爪で切り返す。その爪は朝目の刃を受け止めながらも、彼には傷一つ与えさせなかった。強力な防御が功を奏したのだ。 戦いは続き、技と力が繰り広げられる。そして、黒龍が全力を込めて発した「8000℃のブレス」が、全てを焼き尽くすように放たれる。 一瞬、眩い炎が空間を支配した。黒雲はその猛烈な熱に苦しむが、体の限界を越える力を持った「強化刺青」が彼を支える。冷静に状況を判断し、朝目は「雲渡り」のスキルを駆使し、その炎をかわす。 しかし、その間に黒龍は体勢を整え、「鱗を高速で発射」の行動に出る。無数の鱗がまるで弾丸のように朝目に向かって飛来する。 黒雲はその運命に捉われることなく、刀を振るい、いくつかの鱗を切り捨てるが、その中の一枚が彼の肩を掠め、痛みを伴った。しかし、彼の決意は揺るがない。 「これが限界か、黒龍よ。」 朝目は最後の力を振り絞り、「鴉殺し」を発動。遠距離から黒龍に迫り、強烈な突きを見舞った。その瞬間、黒龍もまたブレスを放つ準備を始めた。 ふたりの攻撃が交錯し、爆発的な衝撃が空間を揺るがす。 戦闘の結果、傷を負った黒雲が立っていたが、彼の意思と仲間たちへの思いが燃えるように彼を支え続けた。一方、黒龍は致命的な一撃を受け、力尽きる運命にあった。 勝利したのは黒雲 朝目。 彼の冷静さ、戦いの技術、そして仲間を思う心が、黒龍の荒々しい力を相殺した。この戦闘の中で、精神的な堅さと思考の優位が勝利をもたらしたのだ。