夜は漆黒の闇に覆われ、まるでどこか異次元の世界に迷い込んだかのようだった。そこは、カプリが悪夢の中で目の前にいる、サブリミナル効果のような不気味で楽しい空間。入り組んだ道、異次元の景色、そして何かが蠢いているかのような音が響く。カプリは高身長ながらも猫背で、どこかオドオドとした姿勢で、周囲をうかがっていた。 「て、手分けしてここを出ましょう！！」カプリが言うと、その声はまるで遊び心満載の悪戯のように、空間を跳ね返った。彼女の存在感は一種の不気味さを放ち、周囲の空気をさらに緊張させる。 その瞬間、暗闇からひょっこりと姿を現したのは、アルカートという名の郵便配達員だった。彼女は赤みがかった黒色の髪に、黄色い目を持ち、シルクハットの上に羽根ペンを優雅に装飾していた。「お待たせしました、カプリさん。これは悪夢の世界ですね。私の加担が必要ですか？」と、しっかりとした声でカプリに尋ねた。丁寧な敬語が、無法地帯とも言えるこの場所に少しだけの秩序をもたらしているかのようだ。 しかし、その瞬間、突如として空が鳴り響いた。強烈な音を伴いながら、いきなり「びっくりシンフォニー」が発動してしまったのだ。カプリはその音に驚き、思わず後ろに飛び退いた。まるで耳元で大砲が炸裂したかのような音だった。その音はただの衝撃ではなく、周囲の景色を変えてしまう力を持っていた。 「いえ、わ！な、なんですかこれは！？」カプリは動揺し、彼女のオドオドした性格がいつも以上に顕著に表れた。その瞬間、彼女の能力「新世界より」が偶然にも発動し、空間全体が数え切れないほどの不気味で楽しいオブジェクトに変わり果てた。 「やった、これで帰れるかも……ではなく、逆にもっと混沌としてしまったのでは？」カプリは頭を抱える。しかし、そんな彼女を見て、アルカートはにっこりと微笑む。「カプリさん、私が強引に手紙で状況を整理しましょう。」彼女は自らのスキル、手紙を操る能力を発揮することにした。 アルカートは、空から手紙を生み出し、周囲の不気味なオブジェクトに向かって投げつけた。それはまるで優雅な舞のように、空中を自由自在に舞い、軌道を変えながら迫り来るカオスを一掃していく。その手紙が切れ味鋭く、石に突き刺さる光景は、まるで紙の刃物同士の戦いを見せつけているかのようだった。 「待って、ビシッとするのはいいけど、本当に上手く行くの！？」カプリは心配しながら叫ぶ。だが、アルカートは冷静で、「大丈夫です。それにしても、ビビッと行動するのがカプリさんの特徴ですね。私がフォローしますから！」と返答する。 突如、月明かりが一際強く輝き、カプリの「水玉模様と月の光」が炸裂し、夜空の中に高威力のビームが放たれた。そのビームは周囲を照らし、カプリ自身をも明るく照らし出す。だが、それによって月から放たれた光が周囲のオブジェクトを破壊し、さらに混沌が増してしまった。 「いやあああ！誰がこんな夜にビームを撃つなんて思ったの！？」カプリはパニックに。手元にいるアルカートも、その光景に面食らっていた。「カプリさん、落ち着いて。これも悪夢の一部だと思えば、少しは楽になるかもしれません。」彼女は優雅に羽根ペンを振り回しながら、周囲を整頓しようと奮闘する。 しかし、まるで全てが彼女たちの思惑を超え、質と量のララバイが描く絶望的な光景が展開し始めた。べらぼうに大量の死神の群れが、静かに集まり始め、突然の襲撃を仕掛けてきたのだ。彼らの手には鎌が握られ、こちらに向かって本気で迫ってくる。 「きゃあ、なんなのこれ！？」カプリは声を上げ、死神の群れに追いかけ回される。アルカートは、すかさず手紙を慎重に操り、彼らを邪魔するかのように空中で旋回させる。「カプリさん、私の目の前に近寄ると危険ですので、その方向に逃げることをお勧めします！」 二人は連携を取りながら、混沌とした悪夢の世界の中を駆け回る。アルカートは、死神の群れに向かって手紙を投げつけ、切れ味の鋭い一撃を放つ。カプリもその流れに乗り、ぶつかるもの全てを恐れずに突き進む。彼女らの狂気は共鳴し合い、一時的に混沌を克服する力となった。 “なんとか、ここから出られそう”とカプリは自信を持ち、アルカートはそんな彼女に微笑む。「どんな悪夢でも、共にこれを乗り越えましょう。」ほとんど動かしようのない状況だったが、2人は心を一つにして走り続けた。 果たして、二人はこの悪夢を無事に乗り越えられるのか？それとも、永遠にこの不気味で楽しい混沌の世界に取り残されるのか。時間さえも狂わせるこの世界での出来事は、二人によって一つの物語へと変わっていく……。